寝ていてふとあの瞬間を思い出した。
記憶がフラッッシュバックしてくる。
アレは僕がまだ小学5年生の時。
夏休みは近所のプールでシーズン券なるものを発売しており、
それを購入すると、
毎日プールに無料で入れるという、いわゆる定期券みたいなもの。
小学生は水泳の練習と称してこぞってそれを親にそれをねだったのです。
だから夏休みは毎日プールに通って水泳訓練と偽って
遊びほうけていたのですが。
近所と言ってもバスで通う距離です。
ま、歩いても行けないことはないのですが
何しろ夏場、直射日光の厳しさといったらありません。
朝一番でいけるときには歩きましたが
何かの都合で日が高くなってから行くときにはバスを利用。
当時のバス賃は小学生なら10円でした。
お昼用の食事代・バス賃で50円程度の小遣いを貰い
半ズボンのポケットに50円玉一個入れて
その下にはすでに水泳パンツを履いて出かけます。
当時田舎のバスは下車払い・・・距離によって運賃が異なっていた。
で、プール前で降りようと準備を始めた。
ポケットを探ると持っているはずのお金が無い!
無賃乗車・・・子供心にもうパニックです。
周りを見渡してみると
同じ小学校に通う6年生の顔を見つけました。
とは言っても、会話を交わしたことも無い人。
当時の小学校はひと学年7クラスもあって、しかも一クラス45人となっていた。
だから同じ5年生でも知らない子供も多く、
まして6年生ですから、一方的に顔を見知っているというだけのものです
あちらはこっちを知ってるかどうかも判らない。
その6年生は背が高く、運動も出来、バスケットをよくやっているのを
運動場で見かけて存知あげているというだけ。
でもココは無賃乗車という悲惨な状況は何とか避けたい。
無賃乗車=犯罪という意識が子供の心を大変暗くしていた。
だからバスの中で顔見知り?のあの6年生に頼むしかない
と心に一大決心をして
カエル歩きをして彼に近寄っていきました。
このカエル歩きにも訳がある。
いきなり知らない人に金を借りるのに
立っていくのは失礼だ。
変な心理ですが、小学5年生の僕はそれが礼儀と思っていたわけで。
その位小学5年生の僕は幼かった。
そして人見知りだった。
だからこのときの勇気はそれまで生きた人生で最高の勇気が要ったわけです。
「すみません、お金を忘れてしまって、・・・10円貸してください」
向こうも少しびっくりしたでしょう。
でも幼い子供が困った顔でしかもカエル歩きで近寄ってきて
小声でお金を貸してと頼んできた。
そのときは快く(拒否することなく)10円を僕の手に握らせてくれました。
ありがたかった。
これで犯罪者にならずに済む。
10円をバスの運賃箱に入れてバスを降りる。
で、念のため、もう一度ポケットを探ってみると
ちゃんとお金が入っているではありませんか
椅子に座っていたので半ズボンのポケットのお金に手が触れなかっただけで
ポケットにはちゃんとお金は持っていたのです。
で、早速「ありがとうございました」と彼に10円を返しました。
もう僕の頭は爆発してました。
3分前に泣きそうな顔でバスの中で金を借りた子供が
バスを降りたらすぐに金を返す。
返されたほうも意味がわからなかったでしょう。
お金持ってるのに、何で借りに来たの?
状況説明も何も出来ないまま、とにかく借りを返してその場を離れたかった。
もともとあわてものの僕の思い込みから起きた失敗談ですが
何十年も前の出来事がフラッシュバックしてきたので
思わずブログに書いてみました。
それに比べて最近の子供はしっかりしている。
回転寿司やで大人の職人に対して
「まぐろください」なんて言えるんだから・・・