物もらいが出来て目薬をさしました。
鼻の奥を伝って苦い味が広がりますな。
何で目薬って苦いんでしょうかね?
苦いから効く?
ことわざにもあります。
にがいから目薬。
あ、2階から目薬のしゃれなんですけど。
「おまいさん、仕事も行かないでうちでごろごろしててどうすんのさ」
「しょうがねえだろう。昨日の空っ風でかんなッくずが目にへえって痛くて開けられねえんだ」
「じゃあ、医者へ行くとか目薬をさすとかしたらどうだい」
「そんな金はねえよ。それより御まんまはどうしたい?」
「そんな金はねえよ」
「何?」
「おまいさんが仕事行ってくれないともうお米がないんだよ」
「米がないって・・・」
「あたしは昨日からお芋たべてんだよ」
「何ィ・・いもだあ。よしねえ、江戸っ子が芋なんて」
「しょうがないだろ」
「じゃあ、おじさんとこ行って金借りて来い。これこれこういう訳で
手間賃が入りましたら一番にお返しに上がりますからって」
「こないだ借りたぶんもまだ返してないのに」
「いいから行って来い。帰りに薬買ってくんのわすれんな」
「いきやがった。いちいち口応えしやがって・・」
「買ってきたよ。目薬、ほい」
「投げる奴があるか。おうおうこれだ、白い袋にへえってやがる。
お、おまえ、何て言って買ってきたんだ?」
「うちの宿六が仕事しないので、目薬くださいって。」
「宿六は余計だ。これ粉の薬じゃあねえか。どうやって使う・・・
お、袋の裏になんか書いてある。なになに・・・」
このくすりは みみかき いっはい めしりにつけへし と書いてある。
「お、ひらがなじゃあねえか。これなら俺にも読めらぁ」
当時は字の読めない書けないなんてのは多かったそうで。
「こォのォくゥすゥりィはァ・・みィみィかァきィ・・・いっはい・・いっぱいだな」
「あれ?この字は見たことあるけどなんていう字だったかな?」
「どれ」
「これだい。どっかで・・・似た字を見たぞ」
「あ、これはお湯ゥ屋さんに書いてあるよ」
「なに?」
「男湯・女湯のおんなって字だよう」
「ははあ、なるほど。さすが女だけあって毎日みてるもんな」
確かに め という字は 女 を崩して書いてある。
「おんな、し、り、に、つけへしィ?」
「まてまて、えーと、このくすりはみみかきいっぱいおんなしりにつけべし・・だとお?」
「おい、おっかあ、いまからくすり付けるから雨戸閉めて入り口にしん張り棒かけな」
「何をはじめんのさ。ああ、こなくすりが飛んじゃいけないから風をふさごうってんだね」
「おお、閉めたらこっちィ来い・・・そいで俺の前で尻だせ」
「何をおまいさん、この明るいうちから・・・こjの、すけべ」
「何をバカなことを考えたんだよ、目薬をつけるんだよ」
「なんであたしが尻を見られなきゃならないのさ」
「いいからこっちィ来いって。さあ尻出せ。もっとこう高く上げて。
俺によく見えるように腰をあげろって」
「はずかしいよ」
「んで、みみかき持って来い」
「馬鹿だね。先にお言いよ」
「はい、みみかき」
「じゃあ、こう、ぐっと」
「こうかい?」
「もっと尻を俺の顔のまえに」
「こうかい?」
「もっと腹をたたみにつける位にさげられねえか」
亭主が背中をぐーっと押す。
お上さんはお芋しか食ってない。
お尻を触られてくすぐったい。
笑いをこらえておなかに力が入ります。
亭主は耳かきにこなぐすりを採りまして
おかみさんのお尻の前に持ってくる。
「どこにつけりゃあいいんだ?」
お上さん、こらえてたけど大きなおならがぶ~っ。
「うわ、何しやがる。亭主が顔を近づけてるのに屁ぇこく奴があるか・・」
「しょうがないだろ」
「ぺっぺっ!あーあー、あっちこっち粉が飛んじまった。あ、あれ?」
目をぱちくりしまして、
「ほうら、おっかあ、見えるようになった。やっぱりこうして付けるんだ」
目薬というお笑いで・・・