不動産屋が残り一部屋の入居者を紹介してきた。
29歳の独身女性らしいが・・・断った。
何しろお誕生会部屋だし、洗濯物干し部屋になってるから・・・
家賃収入は欲しいが、悩むなあ。
水商売らしいし、タバコを吸うという。
うちの子たちは皆タバコは吸わない。
「他の部屋の子は学生ですので夜の遅いお仕事の方はちょっと・・」
「でも帰りが遅いって言っても寝るだけですし、お昼に他の居住者がいないほうが静かにねむれるので私もその方が嬉しいンですけど」
「おタバコお吸いになるでしょ。火事が一番怖いんで・・」
「貴方ねえ、そんな事言ってたら来年の春まで人、入らないよ。こんな時期に部屋探しする人は珍しい大事なお客さんだよ」不動産屋が言う。
こっちにはこっちの事情があるんだ。
部屋を乾燥室代わりに使っている事情を話してお帰りいただいた。
大体化粧で年齢を誤魔化しておるが、肌は誤魔化せん。
何が29じゃ、あれはどう見ても40手前じゃな。
いろいろ人生に問題のある女と見た。
響子タンのママのほうが化粧疲れしてない分、綺麗じゃしなあ。
まああの部屋は今年一年は誰も入れないでおこう。
さてお誕生回の報告をしよう。
平日の夜に皆が帰ってきてから始まった。
舞ちゃんも仕事を切り上げ早めに戻って来てくれた。
わしと電気屋は下の部屋で時間をつぶし、お呼びが掛かるのを待った。
電気屋はビンゴゲームの商品にDVDレコーダー、小型音楽プレーヤーなどにアダルトグッズを一個加えておいたとニヤニヤしている。
お呼びが掛かって景品を2階に運び上げ、一応電気屋を紹介したが
「こんにちわ」と挨拶しただけで女の子達は何の関心も持ってないようで、わしの隣に座って大人しくしておった。
影では色々うるさいが、実際若い子との会話は苦手なのかもしれんなあ。
宅配ピザを注文してあったので、それとケーキでお祝いして
「さあ、ビンゴゲームの始まり~」
うちの子が小さい頃に買ったおもちゃのゲームがあったのでそれを押入れから引っ張り出してきて十何個目かのコールで舞ちゃんに「リーチ」の声。
おお、しかしカリンちゃんが誕生日なのに舞ちゃんが一番いい商品をゲットしたら不味かろう。
その後3コール目にカリンちゃんも「リーチ」
それに続いてわしのカードも「リーチ」になった。
わしのカードがいきなり動きだして「ダブル」「トリプルリーチ」
電気屋がわしの膝をしきりにつつく。
・・・しかし、リーチはしょうが無いだろう・・・・
舞ちゃんが「ビンゴ」次にわしが「ビンゴ」カリンちゃんが「ビンゴ」
響子タンはやっとリーチ?
結局最初にビンゴした人からプレゼントを選ぶ権利があるということで
舞ちゃんは遠慮して小さい箱を選んだ。
なるほど、それが大人なんじゃな。
わしも小さめの箱。
カリンちゃんは大きな重たい箱を選んで、おそらくあれがDVDだなと皆暗黙の了解をしているわけだ。
響子タンが残りの箱をゲットして、皆何らかの商品を手にして大喜びである。
電気屋がわしを部屋の外へ連れ出し
「お前はばかだなあ、ばか正直にリーチ、リーチと騒いで・・。ああいう時はわざとカードをめくらないもんだぜ。しかもお前さんが選んだ箱は大人のおもちゃなんだよ。俺の計画がおじゃんになっちまった」
そうか・・・それが大人と言うものか・・
「じゃあ、コレどうしよう?」と箱を見せると
「そーだな、カリンちゃんにお前さんからプレゼントだとかナントカ言ってやっちまえよ」
「解った」なんか俺が電気屋に怒られたみたいで・・・。
翌日、カリンちゃんに
「わしからのプレゼントにコレをあげよう。夕べのビンゴで当たった景品だけど・・中身は何か見てないが良かったらコレもあげる」と言って渡してしまう。
「え、でもわたし一番いいDVD貰ったから・・」
「いいよ、いいよ。どうせ電気屋が選んだ商品だからつまらない物だろうしな」
「ええ~いいの?」
「ああ、取っときなさい」
中身をわしが知って渡したら変態じじい扱いされるのが見えてるから、わしは中身は見ておらず
選んだもの電気屋のセンスと言う事にしなければならない。
コレで女の子達はそれぞれ大人のおもちゃを持っていることになった。
結果的にはコレでよかったのじゃな。