葬式の夢を見た。
お通夜で疲れていたのか俺は眠っていたらしい。
目が覚めると隣にお袋がやはり今、目ざめたみたいで
「あら、私たち何をしてるのかしら?」と言い出した。
瞬間的に俺は状況を悟り、「いやだなあ、お袋、今日は姉貴の葬式だよ」
「あ、そうそう。あの子死んだのね」とボケの始まってるおふくろは明るく笑った。
親父は8年前に、去年兄貴が死んで、お袋と姉貴と俺と5人家族は3人だけになってしまった。
その姉貴が死んだらしい。
葬儀場には会葬に来てくれた親戚や知り合いでごった返していた。
お袋と俺は礼服のまま疲れて眠っていたらしいのだ。
俺とお袋の間には冷たくなった骸が一体横たわっている。
白い布をかけられたそれを俺は姉貴の遺体だと思っていたが、
どうもそれは間見知らぬ他人の物で、葬儀社の人が申し訳なさそうに
「立て込んでまして、すみません。お姉さまはもうお骨になってます」と小さな骨壷を差し出す。
「するとこの遺体は・・」「次の葬式の方です」
なんと他人の遺体の横で寝てるなんて・・・
急に気味が悪くなって、立ち上がって衣服を直した。
そのときその遺体の腕がブランとベッドからはみ出して下に垂れる。
血の気のない白い腕は、死蝋色といった表現がぴったりの冷たいものだった。
その勢いで顔を覆っていた白い布もずれて顔も見えた。
逃げるようにその場を立ち去ろうとした俺にその死体はうらめしそうに、
俺を目で追っている。
「今まで横で寝ていたくせに・・・急に気味悪がることもねえだろうに・・・」と目が訴えている。
どこに移動しても薄目を開けて俺を目で追い続ける。
遺体の口から白いもやのようなものが出てきて俺を包む。
「うわ、これはエクソプラズマかあ。俺に取りつかないでくれえ」
そこで目が覚めた。実に怖い夢だった。朝まで電気をつけてTVをつけてすごした。