拙者は御家人の四男坊。名は坂田伝四郎と申す。
御家人の長男・次男はともかく三男坊・まして四男坊ともなると
家を継いで安泰なんてことは天地がひっくり返らないと起こるわけも無い。
部屋住みで一生を終わるのは嫌だ。
そこで剣の修業をして剣術家として身を立てるべく幼い頃より道場に通い剣の修行をしてきた。
そこそこ腕に自信も出てきたので全国行脚して剣の修行の旅に出ていい師を求めたい。
旅に出てから半年目にとある道場に他流試合を申し込んだ。
ところが国は広い。強い者は沢山居る。
この道場主から鋭い突きの1本を取られて道場の羽目板に飛ばされて気を失ってしまった。
気がつくと布団に寝かされ、おでこには冷たい手ぬぐいを乗せられている始末。
「これ、気がついたようじゃな。如何じゃ、ココの道場で一から修業をしてみぬか」
何を!さっきのは油断をしてたまでよ・・・と言いたかったが実力の差は明白である。
道場主の横には絶世の美女が二人俺の看病をしてくれていたらしい。
さっきから父上と呼んでいるところをみればココの娘ごか?
こういう時は自分の意見なんて如何でもいい四男坊の性格がものをいう。
「はっ、では有り難くお情けを頂戴し、しばらく逗留させていただけますか」
翌日からこの美女と共に道場で汗を流すことになった。
この先生は突きに工夫凝らして秘剣を体得したようだ。
名づけて秘剣「闇夜の月」
どこから出てくるか解らない突きという事か。
そしてこの美人姉妹の腕もそうとうなもので俺はこの姉妹から1本も取ることができない。
一生懸命に修業して約一年が過ぎた。
朝稽古の後に井戸端で汗を流していると道場主から声がかかった。
「どうじゃな。最近は腕も上がって娘達からも1本取れるようじゃな」
「ははっ。まだまだでござる」
「そう卑下したもんでもないぞ。よく一年辛抱した。そなたに免許皆伝を授けよう」
「え、拙者にでござるか。ありがたき幸せ」
「そしてこの道場を継いでもらいたい。ワシには娘ふたりしかおらんで、娘と所帯を持ち
道場を継いでもらいたいのじゃが・・・嫌か」
「いえ、決してそのようなお嬢様と結婚・・・で、姉と妹御とどちらと・・」
「それについて、明日娘と試合をして1本取れたらと言うのが条件じゃ」
「で、どちらと?」
「それはどちらでも好い。おぬしが鼻の下を伸ばして居るのは気がついておる。おぬしが好きなほうで
好いぞ」
「でもお嬢様のお気持ちも・・・」
「いや、それはワシが言い含める。やってくれるか」
「ははっ」
・・・・・・
部屋に戻って考えた。姉は夕子、妹は菊という。
どちらも色白でからすの濡れ羽色のすこぶるつきの美人姉妹で甲乙付け難い。
姉は21、妹は19。やっぱり若い肉体のほうが・・・いやその前に試合に勝たなくてはならぬ。
姉も妹も3段程度の腕はあろう。はて、喜んではみたものの俺が勝てるかどうか。
飯も忘れて思案した。どうせ江戸に戻っても部屋住みの四男坊だ。家には結果が出てから了解を
取れば好かろう。気持ちを静めて考えようと道場に出て座禅を組んだ。
しかし邪念が頭をよぎって考えがまとまらぬ。
娘御の着物の裾を割って手を白い太ももに伸ばしてゆく。
あれ、いけませぬ。そのような・・・ああ・・御無体な・・ああ・・いけませぬ・・誰じゃが見て居るかも・・・
夜も更けてきたので部屋に戻ることにした。
部屋に戻って灯を灯すと文机の上に一通の文が置かれている。
「明日、坂田様と試合をして坂田様が勝てば貴女様の嫁になりこの道場を継ぐように父から言われました。
男の子のない当道場ではいずれそういう事になるものと覚悟しておりました。
私は一生懸命修行なさる坂田様のお姿をほほえましく見ておりましたので私に嫌はございません。
ただ、私たち姉妹のどちらかは相思相愛の殿御がおり一夜の契りも済ませております。それは姉か妹かは
申し上げられません。
しかしどちらか片方は今も申し上げたとおりお慕い申し上げております。
明日の試合は貴方様がどちらか片方を選んで試合をするらしいのですが、もし私に試合を申し込まれたら
私は貴方に1本取られて負けを認め、嫁にしていただきとうございます。
でも想いの者のあるほうに試合を申し込まれれば、必死の試合をすることになるでしょう。
いいなずけの殿御の為にも手を抜かないと覚悟しておるかと思います。
女心と申しましょうか。貴方が嫁にと私を選んでいただければ、大変嬉しいのですが、姉妹とはいえ、
違うほうを選ばれたら女としての嫉妬がございます。
ココは一つ貴方のツキにかけてみたいと思います。
貴方にツキがあって私の美しさを認め、最初から負ける気でいる私に試合を申し込まれるか
それともいいなずけのあるもう一人を選ばれるのか・・・これから一生添い遂げる方の人生のツキを
試させてください。
最後になりますが、姉は木刀で妹は竹刀で試合を受ける覚悟でございます。 かしこ 」
なに!どちらかは俺のことを好いていてくれると言う。そして片方は生娘に非ずか。試合は俺の腕ででは
勝ちは危うい。ぜひとも試合に負けてくれるほうに試合を申し込まねば。いずれは道場主と美人の妻が
待って居るわ。うわはははは。いや、どっちに試合を申し込めば好いのか?文だけではどちらが俺を好いていて
呉れるのか解らぬ。ツキを試させてください・・か。ツキがあれば突きの免許皆伝・・・一人は既に男に1本
突かれているのか・・・。しゃれを言ってる場合ではないぞ。姉は夕子で妹は菊。夕子と菊。ゆうこときく?
いや片方は言う事聞くけど、片方は言う事聞かんぞ。それより心配なのは片方は木刀で片方は竹刀で
立ち会うと書いてある。
木刀であの突きを受ければ死んでしまう。やはり妹との試合を所望するか?いや姉の色っぽさも捨て難い。
色っぽいというのは既に経験しておるという事かも。む~・・・・
さて、ここで問題です。あなたがこの剣士ならどちらと試合をしますか?そしてその理由は?
あなたの正解をコメントで送ってください。
姉か妹か そして その理由は?
正解者にはアメバのプレゼントを一つお送りします。
正解は、ロジックで解けるか・・・それとも駄洒落か・・・。
結構簡単なのですが、煙に巻くため、くだらい事も書いてありますので、罠にひっかからないように
よくかんがえてね。