ブログネタ:転校生に関する思い出
参加中教科書は開いたもののどう教えていいのかわからずに「教科書に書いてある通りに一応やってみたら」
と言うのが精一杯で「おトイレ貸してくれる?」「その廊下の奥よ」
雨の日で洗濯物が表に干せなかったのだろう。
俺は湿った洗濯物を手で除けながらおトイレに行った。
トイレのゴミ箱には女性の生理のそれに血がついたものが無造作に覘いていて吃驚した。
部屋に戻って彼女の隣で宿題を一緒にやって「残りは自分で順番に教科書どおりやれば解るさ」
「はん、自分でやるしかないか」と会話をしてると
「ほんならうち、仕事いくからゆっくりしていってね。Y子冷蔵庫に昨日お客さんから貰ったケーキ
入ってるからお友達と後でたべてな。今日も先に寝ててええよ、遅なるやろし・・行って来ます」
さっきとは打って変わった着物姿のあでやかな女がしおらしく腰をかがめて出て行った。
「今のおねえさん?さっきの下着姿の女の人は・・・」
「お母ちゃん。おんなじ人よ。あははは・・吃驚するでしょ。化けた方がうまいのよ、あの女」
「へーえ!キレイな人だね」
「何がキレイよ!化粧が上手なだけ、嫌な女や・・・クラブSって知ってる?この市じゃ一番
流行ってるお店らしいけど」
むろん俺はそんな夜の街情報など知る訳もなく
「ふ~ん。お母さんはホステスさん?お母さんの事嫌いなの?」
「そう。大嫌いや。でもみんなには黙っとってね。」
「ああ」彼女とは何事もなく別れ帰宅した。
何か期待してた人にはごめんなさい。
うちに帰ってもその子のことは話題にも上げなかった。
俺の母親は「あんた変な色に染まったらいけんよ」と言うのが口癖で、なんとなく秘密にしておいた
方が良いと俺の勘が働いたのか。(スリップ一枚の女の姿がそう感じさせたのかも)
その後学校でもあまり話をすることはなかったが、Y子は3学期を待たずして転校していった。
転校の挨拶もなしに学校に来なくなったY子にその後噂が立った。
Y子のお母さんと町の鉄工所の男と浮気して、男と別の県に逃げたというのである。
忘れた頃に俺のうちにY子から手紙が来た。
「数学教えてくれてありがとう。 A君とはもっと話ししたかった。 A君があの時会ったのはお母ちゃんの
妹です。 うちのお母ちゃんは本当にキレイな人でうちが5つの時に死んでしまって、あの人がおかあちゃんのに
代わりにお母ちゃんやってくれてます。 嫌いやけど学校卒業するまではお母ちゃんです。 今の家からは海が
見えます。 夏に遊びに来てくれれば案内します。 待ってます。」
なぜ俺に手紙が来たのか不思議だったし、住所も違っていた(それで随分遅くなったのかも知れない)
俺は返事も書かず忘れてしまった。
悪いことをしたのかも・・・俺がもっと大人だったら違う対応できたかも知れない。
転校生と聞くと明暗を感じてしまう。
暗はY子しか知らないが・・・