近藤の事件の2日後に事件が起こる。
今度はオクラテレビの朝のワイドショーのお天気コーナーの最中に男が乱入してきた。
お天気広場と呼ばれる近所の公園に女性アナとカメラが出て今日のお天気をやっているところへ下半身をむき出しにした男がカメラに写りこんできた。
片手でオナニーしながら女性アナを片手で首を絞めながら人質に取った。
「きゃー、貴方は何ですか」
状況が理解できないうちは健気に抵抗していたが、片方の手で一物を掴んでいる事が解ると気を失った。
男は女子アナの下着を下ろして下半身を触りながらオナニーを続ける。
局から男のレポーターが飛び出してきて男にマイクを向ける。
「何故こんな事をするんですか?」
「貴方名前は?」
徐々にデータが集められ、レポーターが男の身分を明かした。
データを集める時間はとても早くテレビ局は最初からどういう男か理解していた感がある。
「いま舞ちゃんを盾にとっている男は水谷和夫と言って、女性宅に押し入り、強盗、婦女暴行の疑いで警察が追っていた容疑者と判りました。年は29歳。職業はトラック運転手ということです」
「おい、キャメラ。舞の下半身が映るように引きで撮れ!バカ!アップじゃない。引きだ引き。よーしいいぞ。そのまま、そのまま」小倉の声が飛ぶ。
「ガードマン出て、他のマスコミを近づけるな!警察はしょうがないが時間を作れ!」
「証明が暗いな。今6時30分か。日の出は何時だ?それまで証明班バッテリー持ちそうか?じゃ援護を送る。舞はまだ気絶したままか?舞が気絶から醒めたら嫌がる顔のアップでパーンして犯人の顔舐めの舞の救助だ。いいか?よーしそれまで舞の下半身入れの引きで行くぞ。レポーター?そんな奴撮らんでもいい」
蓑田は局内にいた。
小倉の動きをじっと見つめている。
小倉の手回しが良すぎる。何かボロを出すまでもう少しの辛抱だ。
パトカーが到着してジュラルミンの盾を構えて「おい、水谷!女を放しなさい!」
「完全に包囲されているぞ」
じわりじわりと包囲が狭められ、犯人が後ずさりする。
舞がその動きで気絶から醒めた。
「きゃ~~~」布を引き裂くような声を出した時に警官が突入して舞を助ける。
「水谷、落ち着け!」盾で壁に押し付け犯人を捕らえた。
「カメラは舞を追え!犯人はどうでもいいから・・エロい場面は外すなよ。液にまみれて泣いているショットだ。よーし2カメ、3カメ間にあうか?舞に他の女子アナ駆けつけて!
はいそこで、なぐさめる。タオルかけるな、未だ早い!そのブラウスが液で透けてるショットアップだ。よし、スイッチャーいい絵逃がすなよ」
「おい。小倉。お前の指図か。この茶番は?」
「うるさい!忙しいんだ。話は後にしてくれ」
「警察だ。放送を中止しろ」
「警察?なんでここに居るんだ?誰の権限で放送中止する?」
「お前何を知ってる?」
「しょうがない。ここ替われ!はいはい刑事さん、向こうで話ましょう」
小倉はロビーに蓑田を連れて行き、途中で舞アナとすれ違った。
「舞、大変な目に遭ったな」
すれ違う舞はウインクして親指を立てて見せた。
蓑田刑事はそれを見逃さず」にやりと笑った。
蓑田はその場では突っ込まず「最近はオナに絡んだニュースや特集で視聴率随分稼いでいるそうじゃないか」
「御蔭さんで。今度のボーナスは期待出来そうですな」
「オナは何故オクラテレビに協力するようなことをしてるとおもうか?」
「そりゃ、全社あげてオナファンですから、良き理解者とでも思ってるんじゃないですか」
「水谷は千葉在住らしいな」
「あ、そうでしたか?」
「その水谷が何故東京のテレビ局にわざわざ出るんだ?」
「さあ、たまたま通りかかったんじゃないすかね」
「ノートは死に方、場所、シュチュエーション色々指定できるそうじゃないか」
「じゃ、オナが指定してるんじゃないかな。もういいですか?忙しいんで」
「朝飯でも一緒にどうだ?」
「申し訳ないですが飯はスタッフと一緒に反省会兼ねてとりますんで」
「ああそうか、時間取らせて悪かったな、だが、今日は面白い話を聞かせてもらった。また近々来るよ」
・・・小倉は面白い話という部分にひっかかった。
なにもヒントになるような話はしてないし、余計なことはしゃべっていない筈だ。
蓑田刑事にただならないものを感じた。
「小倉さん、スタッフ揃ってます。いつものお店押さえてあります。局長も顔出すそうですよ」
「ああ、すぐ追っかけて行くから始めといてくれ」
今日の放送分のビデオを確認して局の前の店に行った。
「ああ、今日はご苦労だった。舞はどうした」
「10時のレポートで飛び出して行きました」
「別の者、立てられなかったのか?あんな事件の後に視聴者の前に平然と顔出すのおかしいだろう!」
「あ、そこまで気が回り・・・」
「全国民が注目してるんだ。慎重に頼むぜ」
「で、次のオナの計画は?」
「局長の了解を取ってからだ」
ミーティングが終わって解散したところへ蓑田刑事が店に顔を出した。
店の責任者に手帳を見せ、会話の内容を確認しようとしたが、会話は聞き取れなかったと店の人間が答えたため、新宿署に帰って入った。
つづく