プロ野球のセ・リーグで、阪神タイガースがやっと優勝した。朝、

近くのコンビニでスポーツ紙を買う。32ページ。重い。喜びの声

が満載で、中身も重い。

 選手やスタッフの笑顔が満ちる紙面の片隅に目が止まる。見出し

は「スカウト冥利」と短い。わずか17行だ。しかし、この記事が

一番心に残った。

 スカウトのまとめ役、統括スカウトがこう話している。

 「スタメンがほぼ生え抜きの選手で、ましてやドラ1が4人とい

うのはなかなかないと思う」

 鳴り物入りで入団した選手だけではない。将来を見込んで獲った

選手が育ってくれたのだから、スカウト冥利だろう。

 ずっと前、ある球団のスカウトに話を聞く機会があった。体の線

がやや細いので、獲るかどうか迷うことがある。そんなときはその

選手の母親に会うという。お母さんの体格を見て、その選手の数年

後を予想するためだという。

 スカウトの見抜く力が、祝杯の源泉。この17行がいいなあ。

               (2026・10・4)