2019年度  40本目の劇場鑑賞


私はもはや Netflix ナシでは生活出来ない。

今年 〝ROMA〝がアカデミー賞にノミネートされ物議を醸したが、個人的には作品群の中でNo.1の評価だった。

でももし、配信映画がアカデミー賞を獲ったとしたらそれはそれで大いに疑問を呈する事になるだろうが、、、

この〝キング〝は、配信と同時に劇場公開もするという事で、柏キネマ旬報シアターまで出かけた(数カ所、数日でも劇場公開したならばアカデミー賞を獲っても構わないかな⁉︎ )


沈鬱で暗く、もの静かな作品。

シェークスピアの戯曲としてのそれは不見識で良く知らないのだけど。

これはCGを駆使した歴史大作などではなく、1人の青年王子ハルが国王として育まれていくまでの人間ドラマ、そして成長物語だ。

英国国家、組織の長として、混乱し、苦悩し葛藤していく様子が淡々と綴られる。

基本的には、ファンが多いであろうティモシー・シャラメを堪能する作品と思う。
しかし私が好きなのは断然、ジョエル・エドガートン。  なのだが、、、、
彼は悪役を演じてこそ、力を発揮する俳優さんだと常々思っているのだが、今回みたいな役どころはあまり好みではない(個人的には違和感あり、いけ好かないジジイの方が何倍も適役だと思う)。

映像は、極端なまでに彩度、ディテールを抑えているので抑揚がなく、途中シリアスすぎるというか真面目すぎて少し眠くなる箇所も。

演出は、断頭台での処刑など血生臭く悍ましいシーンもあったりする。

しかし、この作品で重要視して然るべきは、戯曲が原作だけにやはり言葉(セリフ)だと思う。  

崇高な精神を持ち合わせていたとされるヘンリー5世の合戦前の檄や、狂気王とされたシャルル6世の皮肉などなど。

個人的には、ジョン卿がヘンリーに言い放った言葉が心に響いた。

〝民に答えが与えられないなら、壮大な嘘をつけ!〝

観た人それぞれがそれぞれの立場でグッと来るセリフがいくつかあったのではないかと思う。

総合的には、制作側(ブラッド・ピットも入ってる)のカタルシスとリリシズムによる美学に酔い過ぎた(言い過ぎか?)感のある、あまり絵の中に入っていけない距離感を感じた作品だった。

合戦シーンはなんだか良く分からず。
日本の戦国時代もそうだが、あれでよく敵味方がわかるものだ。
ホントに国王同士が一騎打ちに合間見えるものなんでしょうか?

しかし、ラスト10分は良かったと思う。
ハルは簡単に騙されていたことを知り激昂するが、それを嗜める王妃役のリリー・ローズ・デップの表情ひとつ変えない演技がラストをしっかり締めた。


評点・・・★★★  3.5
『sheenさんが数日前の評論中に、世の中から戦争がなくならないのは何故か?的な発言があったが、私個人の考えでは、世の中が男性社会だからだと思っている。シンプルな論理だが、男のエゴが全てを狂わせて戦わせるのではないか?と(もちろん金の争いもあるが)。フェミニズムが蔓延した世の中なら戦争まではいかない気がする。』