2020年度 13本目の劇場鑑賞
フランスの作家ロマン・ガリーの自伝小説「夜明けの約束」(原題)の映画化。
ロマン(ピエール・ニネ<大人役>、他に小学生ぐらい、高校生ぐらいと3人の役者が演じている)が書いた原稿を妻が読み始め、少年時代からの彼の半生が回想のように始まる。
ユダヤ系ポーランド人(当時はロシア領)のシングル・マザー、ニーナ(シャルロット・ゲンズブール)は一人息子のロマンを溺愛し、将来は軍人として活躍し、フランスの大使になり、偉大な小説家になると信じ、また世間に吹聴していた。大きすぎる期待にロマン自身は重圧を感じる。
母親のニーナは破天荒でやり手。息子が喧嘩をして帰ってきた時、「男が闘うべき理由は3つだけ。女、名誉、フランスだ」と言う。
この作品で唯一その理由が分からなかったのは母親のニーナがなぜあれほどフランスに執着していたのかだ。元々フランス出身だったのだろうか。小生が見落としただけ?
母親ニーナ役のシャルロット・ゲンズブールが素晴らしい。若い母親から晩年までを見事に演じている。
母親の一人息子に対する異常なまでの愛情。また、その過剰な愛情を受けた息子がどのような大人になっていったのか、というのが中心的なテーマだが、親子共に波乱に満ちたエピソードが凄すぎて静かな文学作品と言うより良くできた<物語>になっている。
実際のロマン・ガリーもこの作品の母親の希望どおり、外交官、偉大な作家、そして映画監督にまでなっている。作品のエピソードのどこまでが史実に基づいているのか分からないが壮絶な人生だったことは間違いない。最後は何故?
映像は美しく、爆撃機のシーンなどはちょっと昔のハリウッド映画のよう(モックアップや模型等を駆使している)で見応えは十分。
トム・ハンクス主演の「フォレスト・ガンプ」を思い浮かべる人も多いと思う。すべての人に歴史ありだな。
美しい曲が流れるエンドロールを見ていると<映画を観た!>との満足感が沸き、まったりした気持ちになった。
評点・・・★★★★ 4
『手紙のくだりは観てのお楽しみ。凄い母親だった。』
