(sheen 新作)
2019年度 25本目の劇場鑑賞
ナディア・ムラド(2018ノーベル平和賞を受賞)がカナダ、ドイツ等の国会や人道支援集会、そして国連で行った演説、また各地の難民キャンプへの訪問を追ったドキュメンタリー。
イラク北部、ヤジディ教徒の村は2014年にISISに襲われ、ナディアの家族は殺され、彼女も性奴隷として捕らわれた。この映画は彼女が脱出後各地で自身へ起きた事、ヤジディ教徒の悲惨な現状を語り、救いを訴え続けてきた様子(現在も)と彼女やサポーターへのインタビューを綴っている。
演技ではない涙を堪えて訴える彼女の表情、その言葉に涙する同郷者や人道支援者達、こちらも胸が熱くなる。ノーベル平和賞を受賞したため、概要は知ってはいたが、彼女の言葉を映像と共に聞くことができ、改めてその厳しさを知ることができた。深く知ろうともせず、関わりを持とうとしない島国日本および日本人(小生も含む)は何て脳天気なのか。私は少々情勢通である、またはそうありたいと思う人は是非観るべきだと思う。「バハールの涙」も。
ナディアの一団が国連から出てきた時、ナディアではなくアマル・クルーニー(ジョージ・クルーニーの妻で人道弁護士として国連で活躍している)へニヤニヤしながらインタビューを試みた日本人が取り巻きに「さようなら」と止められるシーンは日本人として恥ずかしい(このシーンがカットされず、作品に含まれていることが恥ずかしい)。
技術的には編集が冴えた作品だ。音残し、絵残しを含む絵と音のスプリット編集が巧みで、インタビューシーンでは観客が想像できうる部分を極力削ぎ落とすことにより、飽きささず、言葉を聞きながら字幕を読みやすくしている。
小生はどの宗教も非難はしないが宗教色が強い地域に紛争が多いことは悲しい事実だ。
おススメ度・・★★★☆ 3.5
