(sheen 新作)

2019年度  42本目の劇場鑑賞

 
ニューヨークタイムズやワシントンポストなど大手の新聞社は政府の嘘を見抜くこと無くイラクの大量破壊兵器所有を理由とした戦争を支持したが、全米に32の地方新聞社を傘下に持つナイト-リダー社(Knight-Ridder両方とも騎士の意味)は独自の取材で最後まで政府の見解に根拠が無いことを訴え続けた。この作品はこの新聞社の記者達が当時の空気に流されず真実を伝えようと奮闘した実話だ。

この作品の原題はShock and Awe(副題の衝撃と畏怖)、まさにショックを受け、恐ろしくなった。我々は普段、新聞やテレビなどのメディアを通して色々なことを知るが、それらが真実なのか一政府の誘導によって作られた嘘かを見分ける術が無い。世界中の多くの人がラムズフェルドとチェイニーの仕組んだ陰謀に騙された。 
 
アメリカ同時多発テロの首謀者とされたオサマ・ビン・ラディンを確保できない焦りと国民の怒りを押させるため、当時の政府は国民の愛国心を煽り、目をイラクへ向けさせることが重要だった。しかしながらこの戦争により、無駄な出費(誰かは大儲けした)と一般市民を含む多くの犠牲者を出し、その後もISISによる混乱が続いたことは誰もが知る今の解釈だ。


この作品は決して固い映画では無く、ドラマとしても十分楽しめる。全体としては刻々と入ってくる情報の対処や情報提供者との駆け引き等、緊張感とスピード感が素晴らしい。
イラク戦争で傷を負った帰還兵とその家族が作品の流れに沿って複数回登場し、主演者たちと交差するシーンもある。また、記者たちのウィットに富んだ会話やロマンスもある優れた作品だ。
 
最後に劇中の記者たちの本人のコメントやニューヨークタイムズが誤った記事を書いた事を認めるテレビ映像も流れる。
 
映画の評価としては4だが、バイス(チェイニーを描いた映画)と共に是非多くの人に見てもらいたい作品だ。日本ではこのような映画を作り、公開することができるだろうか?
 

おススメ度・・・★★★★  4

↓予告編