(sheen 新作)
2019年度 75本目の劇場鑑賞
千葉県浦安のとある銭湯を舞台にした奇怪なサスペンス。
東大は出たもののうだつの上がらない和彦は近所の銭湯でバイトを始めた。しかしながらこの銭湯は通常営業の後、殺人及び死体処理の場所として利用されていて・・・。
「カメラを止めるな」同様、だんだんと話題になってきたシュールな日本映画。この作品のために立ち上げた小さな組織でサンプル版から多くのスタッフからのアイデアを集結させて作り上げたそうだ。
「カメラを止めるな」はその構成やストーリー展開の奇抜さが特徴で、言い換えるとそれだけだが、「メランコリック」は銭湯とは殺人と死体処理をするのに便利な場所である、というユニークなアイデアに加え、とっても出来が良い。
とにかく出演者全員のキャラクターがしっかりして演技が素晴らしい。主人公の和彦は神経質らしくいつも顔を歪め、話し相手の目をあまり見ない。同僚の松本は殺し屋なのに人には丁寧で気さくな今風の若者。銭湯の主人はごく普通のやさしい初老のおじさんだが殺人にだけは無頓着。ヤクザの田中は丁寧な話し方と馴れ馴れしい態度がかえって怖い。等、等。
また、セリフが日常でよく使う、またはよく聞く今風の言葉なので結果芝居が自然に見える。たぶん巨匠の脚本家ではこうは行かなかったと思う。
前半、主人公の家庭(主人公とその両親)での食事シーンが何度かある。平穏なシーンは単に「平凡と異常とのコントラスト」として表現しただけではないだろうと予想していたら、案の定・・・。これも非現実的で面白い。
技術的に気になったところはフォーカスが定まらないカットが結構あったこと(狙いかもしれないが)。また音がこもっていてアフレコでセリフを差し替えれば良かったと思うシーンがあったこと。
演出的に気になったところは血を洗い流すシーン。風呂場で血を洗い流す時は最初からブラシで擦るのではなく、まず水で流すでしょう!または水で流しながらブラシを使うと思うけどね。ちょっとした「それは無いでしょう!」を許せないのは小生の性である。
最後のナレーションは印象に残らなかったので余分だったかもしれないが日本映画にありがちな余分な説明シーンやカットが無く、ストレス無く観ることができた。
評点・・・★★★★ 4
↓予告編


