(sheen 新作)
2019年度 76本目の劇場鑑賞
工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男
1990年代、南北朝鮮間のスパイドラマ。
韓国軍安全企画室(諜報部隊)のパク・ソギョンは核開発に関する情報を収集すべく実業家に扮して北と接触する。コード名は黒金星(ブラック・ヴィーナス)。彼の存在を知っているのは直属上司の室長を含め3人だけ。北での広告撮影企画(韓国企業が北の風景等を含めた広告を作成することにより、南北の交流と北への援助を進める)が順調に進み、時の最高権力者、金正日(キム・ジョンイル)との面会をも成功させるが韓国の政権内では次期大統領選挙で金大中(キム・デジュン)を落選させようと北との裏工作が進む。
舞台の多くは北京の高級ホテルで、南北の関係者は探り合い、また秘密裏に会ってもいる。主役のパク・ソギョンは実在人物で後に韓国で逮捕され、国家反逆罪等の罪で服役した。この作品はフィクションということになっているが実際にありそうなストーリーだ。実話とされているアメリカ映画の「バイス」や「記者たち」を観た後なので、小生はこの作品は真実の物語だったのではないかと疑っている。どの国でも裏で何をやっているか分かったものではない。アメリカ大統領選挙でのロシア疑惑なども直ぐに頭に浮かんだ。
劇中のセリフで「政権の維持のためには敵が必要だ」とあったが、地球上のあらゆる場所と時代で行われてきた常套手段だ。現在の中国に対するトランプしかり、どこかの二国でもこの作戦が功を奏しているように思える。
主人公パク・ソギョンの表情の変化がはっきりしていて(観客に分かりやすくするため意図的に演出していたのだと思う)少しコミカルにも見えるが、作品全体は超シリアスだ。しかしながらキム・ジョンイルが子犬を連れて登場する場面は真面目であればあるほど笑ってしまう。
映像も赤みを控え寒々しいトーンにすることによってシリアス感を高めている。
北朝鮮のシーンと乗り物(航空機や列車など、CGが多かったと思う)が少し雑だった。特にピョンヤン空港の滑走路の幅が異様に狭く、翼は滑走路からはみ出していたのには驚かされた。
最終的にはいい感じの友情映画になっていて、ドラマとして大変良くできた作品だと思う。
評点・・・★★★★ 4
↓予告編


