2020年度  22本目の劇場鑑賞


往年のミュージカル大女優ジュディ・ガーランドの伝記ドラマ。


レネー・ゼルウィガーが本作品で今年のアカデミー賞の主演女優賞を受賞したので鑑賞した。受賞がなかったらたぶん観なかったと思う。


晩年、とはいっても死んだのは47歳の若さ、映画界から離れ(追放された?)キャバレー等のステージで生計を立てていた彼女は大スターだった頃を回想するがそれも決して幸せだったわけではない。親や会社から押し付けられたハードスケジュール、ダイエットのための食事制限と薬の常用、押し流されるままの少女時代だった。


小生も彼女の全盛期をリアルタイムで知っている訳ではないが「オズの魔法使」での主役ドロシーが歌う「虹の彼方に Somewhere over the rainbow」を知らない人は少ないだろう。


子供の頃から人気者だった彼女はわがままで身勝手。仕事でも遅刻やすっぽかしが多かったことは有名な話のようだ。

薬物とアルコール、定住ができないので子供達の親権も元夫にとられてしまう。

要するに扱いづらい孤独な元大物として描かれているが、回想シーンを見れば、周りの大人たちがそんな彼女を作ってしまったことは明白。

美空ひばりはどうだったのだろうか。


ライザ・ミネリは1シーンにしか登場しなかった。疎遠だったのだろうか。

ジュディは娘のライザが「キャバレー」でオスカーを受賞したことを知らずに死んだ。


レネー・ゼルウィガーと言うと「ブリジット・ジョーンズの日記」での小太りのおとぼけちゃんのイメージが強く、「シカゴ」を観た時はびっくりした。本作ではジュディの癖のある話し方と独特の表情を見事に演じている、と言いたいところだがオリジナルを知らないので何とも・・・。  しかしながら「シカゴ」同様その歌唱力は素晴らしかった。


この作品はジュディ・ガーランドの素晴らしさを伝える映画ではない(勿論それは事実だが)。何て面倒臭い人だったのか、何て可哀そうな人だったのかを描いている。観ていて全然楽しくならなかったが最後に「虹の彼方に」を歌った時は涙が止まらなかった。

涙が出たのはストーリーの流れからではない。曲そのものに感動したのだろうか?


評点・・・★★★ 3
『何故ゲイのカップルが絡んでくるのか疑問だったが後で調べたら彼女は時代に先駆けLGBT(当時はこの呼び方は無かった思う)の理解者だったそうだ。』