2020年度  21本目の劇場鑑賞


「パンズ・ラビリンス」や「シェイプ・オブ・ウォーター」を制作・監督したギレルモ・デル・トロが企画・プロデュースしたホラー・ファンタジー。

彼の作品は独特なトーンの映像と奇妙な物語が特徴、必ず観たくなる。


アメリカの小さな町で昔起きた奇怪な事件は廃墟となっていた家からある本を持ち出すことによって再び始まる。


いかした曲で始まる。

聞いたことがあるイントロだ。そうだ、ドノヴァンの「Season of the witch」だ。

作品内容と曲名、そして年代的にもぴったりだがサウンドは独特。

ドノヴァンを知らない細君も曲がかっこ良かったと言っていた。エンドクレジットの時も同じ曲だったがこちらはオリジナルではなく、女性ヴォーカル。

高校生の時、渋谷公会堂だったろうか、彼のコンサートに行った時のことを思い出す。ステージの真ん中に座布団が一つ。ドノヴァンはそこにあぐらをかいてギター1本で歌った。「Mellow Yellow」以外はあまり盛り上がらずシラーッとしたコンサートだったと記憶している。


作品全体の背景は「IT/イット “それ”が見えたら、終わり」に似ている。時代は1960年代後半。主な出演者は少年少女、そして幽霊屋敷と呪いだ。


見る前から可愛らしい童話的な作品で笑っちゃうようなバケモノが出てくる映画だと思ったら、そのとおり。

しかしながら小生の苦手な<ハッ、 来るぞ~来るぞ~からのドキッ、 ホッ~ と思ったらギャー>的なシーンが多くあり、少し命が縮まった。恥ずかしながら何か出てきそうな時はいつもこぶしを握り締めながら観ている。


本に書かれている事が現実になってしまう、というのはよくあるネタだ。本の中の恐ろしい物語がどんどん書き足されてしまうのだから、#〇$%=*&□%&▽してしまえばよいのではないかと思ったらそれに近い解決方法だった。


子供向けの作品だったが水銀がらみの環境汚染問題、ベトナム戦争を拡大させてしまったニクソンの大統領当選などがちらちらと見え隠れして、<映画界はリベラルを支持しているぞ>、は忘れていない。


評点・・・★★★ 3
『この作品でも高校生がでかい車を運転しているシーンがある。アメリカのほとんどの州で16歳から車を運転することができることは知っているが、どうしても違和感を覚えてしまうのは小生だけだろうか。ちなみに酒は多くの州で21歳から。表向きの厳しさは皆のしってのとおり。』