2020年度  5本目の劇場鑑賞


心に沁みた。

号泣、というのではなくずっとまぶたに水滴が溜まっている状態。
時折、流れ落ちてくるのを止める事は出来なかった。


題材は、東日本大震災及び福島原発事故。


ドキュメンタリーの様なファンタジックロードムービー。

震災で父母と弟を失くした少女。天涯孤独だ。
広島で叔母に引き取られ暮らしているが、その叔母さえ倒れてしまい途方にくれる。

ふと、思いたった少女は故郷の宮城県大槌町までヒッチハイクをして向かうが、、、

途中、色々な人たちとの出会いがあり、噂に聞いた風の電話に辿り着く。

(風の電話)
電話線も繋がっていないが、そこで受話器を取ると、失くした大切だった人と会話が出来るという場所。
実際に現存し、震災以降海外からも含め延べ3万人が訪れている。
私も行ってみたいと思った。



作品としての見どころは、なんと言っても主役のモトーラ世里奈。

段違いの演技を魅せてくれる。

前半は、いやに間延びした作品だなぁと少々違和感もあったのだが。

間延びしたのではなく間延びさせたのだと理解出来た。

台本らしい台本がなかったのだと言う。

つまり、間延びは演技者のアドリブ待ちだったんだ、、、

助演の一流キャストたち。

三浦友和、西田敏行、西島秀俊、山本未来などの演技はさほどそんな感じはしなかった(劇中の西田敏行の小唄は泣いた)ので、やはりモトーラ世里奈のための計らいだったんだな。

途中、急にドキュメンタリーそのものの演出に変わるので心も揺さぶられる。

あまり、今までに経験した事の無い様な構成に少々戸惑うが。


あれから9年が経とうとしている。

今まで、震災詐欺とも受け取れる様な少しだけ史実を齧ってお涙頂戴させようとする輩作品もあったがこの作品は他とは一線を画す。


私が鑑賞した平日昼。
ざっと30人前後。
平均年齢は65〜70才くらいか。
若い人にこそ是非観てもらいたいと思った。

共感と祈りの作品。


評点・・・★★★★☆  4.5
『さすがの演技を魅せてくれるが助演のキャストはもっと無名でも良かったかも⁉︎ 三浦友和はとても田舎のしょぼくれオヤジに見えない。西田敏行は上手すぎて奪う。西島はどんな作品でも西島。悪くは無いがどうだろ⁉︎ ラストの少年は実在したのだろうか⁉︎導いた天使なのか?良質な作品だが、強引なストーリーの繋ぎと一部シーンのベタ演出がちょっとマイナス点。惜しい‼︎』