2020年度 6本目の劇場鑑賞
エドワート・ノートン主演、演出、脚本の探偵物語。
エドワート・ノートンはやっぱり素晴らしい。大好きな俳優だ。
脇を固める俳優陣もブルース・ウィルス、ウィレム・デフォー、アレック・ボールドウィン等と豪華絢爛。
しかもブルース・ウィルスは前半の少ししか登場しない。なんと贅沢な!
このようなキャスティングができるのは最近ではNetflixだけかと思っていたが本作は違う。エドワート・ノートンだから実現したのだろうか。
私立探偵事務所のボス、フランク・ミナ(ブルース・ウィルス)はあるネタを追っていたが妨害に合い、殺されてしまう。
フランクの部下の一人だったライオネル(エドワート・ノートン、ボスは彼をマザーレス・ブルックリンと呼んでいた)は誰がフランクを殺したのか、またフランクは何を探っていたのかを調べ始める。
この作品でエドワート・ノートンはチック障害を持つ私立探偵を演じている。彼は少し変わったキャラクターを演じるのが上手い。舞台出身だからだろうか台詞の発声が綺麗(独特?)だ。
ウィレム・デフォーとアレック・ボールドウィンもそれぞれお得意の役柄でいい味を出していた。
ブルース・ウィルスだけは出演時間が短かったこともあるが平凡な芝居だった(いつもと同じと言った方が良いか?)。
ニューヨークのスラム街の再開発に関する裏の事情や野望が暴かれてゆくストーリー、ローラ役のググ・バサ=ローも良かったが小生が一番気に入ったのは映像の綺麗さだ。
すべてのカットが美しい。1950年代のニューヨークを落ち着いたトーンでシックに描いている。
室内のシーンも味のある照明。小生は美し過ぎる(少し舞台照明のよう)とも思ってしまった。
水たまりに映る人陰からからのパンアップ(間違った用語だが日本では普通に使われている。もっとひどいのはパンフォーカス。フォーカス操作によりピントを奥から手前に、またはその逆に送ること)などお洒落で映画らしいカメラワークは映画ファンにとってはたまらない。
そして画質が良い!小生は常に画質が気になってしまう。
この作品のもう一つの特徴で素晴らしいところはバックに流れる曲とジャズクラブでの演奏シーンだ。
チャーリー・パーカー等のノリノリのビバップと静かなシーンでのクール。ニューヨークにはモダン・ジャズが良く似合う。
上映が終わり、場内が明るくなったところで後ろに座っていた女性たちがウィレム・デフォーとアレック・ボールドウィンの兄弟はないよね、と大笑いしていた。
そこか?とも思ったが確かに二人は似ても似つかない。この作品の唯一の弱点かな。
主人公が対峙する相手は完全悪ではなく彼なりの哲学を持っている。それぞれの立場、見方によって善悪が変わることを表現しているところも好きなところだ。
評点・・・★★★★ 4
『このような良作なのに上映劇場が少ないのはもったいないと思う。若い人たちにとってはちょっと渋すぎるかな?』
