2019年度 119本目の劇場鑑賞


2019年カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した韓国作品。


本編が始まる前に監督のアップで挨拶、そしてこの作品を観た人はストーリーを他に話さないように、とのコメントがある。次に出演者たちのグループショットになり映画を観る時のマナーとやはりネタバレを他にしないように、との注意があった。


監督が言っていたようにどの作品も予備知識や先入観を持たず心を真っ白にして観るのが良いと思う。

しかしながらこの作品が前代未聞のストーリー(斬新な部分も確かにあった)で他に類を見ないほどの物だったろうか。

まあ監督からの指示(?)があったのであらすじは書かない。


仕事も無くなかなか貧困・困窮から這い上がれない人たちを描いた作品は多くある。

ダルデンヌ兄弟による作品の多くはそんな人たちの生活を観察するように描き、結論をあえて求めない撮り方をしている。観客がそれを観てどう感じるかは自由だ。

この作品は客観的な描き方をした社会派映画ではなくストーリーを重視したエンターテイメントだ。しかし誰もが格差社会の問題をモチーフにしていると感じるだろう。

しかしながら裕福な人たちへのやっかみ、と見られてしまうのは舞台が韓国(アジア)だからだろうか。


小生はポスターだけを見てこの作品は韓国版「万引き家族」、貧乏だが陽気で家族愛を描いた映画なのかなと思って鑑賞したが全く違ったものだった。

どこかコミカルなところは共通している。


半地下に住む貧乏家族のインテリジェンスが高く、みんなが有能な設定は珍しく気に入った。貧乏人をバカで野蛮で不潔に描くのは不快だ。

これだけ有能だったら無職はないだろう、と考えるのは韓国の就職難の深刻さをろくに知らない日本人だからだろうか。


台詞のあちこちに英語が含まれていて、しかも単語だけではなくセンテンスの場合も幾つかあった。もちろんストーリーの中の人物設定を考えると不自然ではないとも思えるが韓国人は日本人同様に世界で最も英語が苦手な民族だと思っていたが違ってきたのか?


映像は綺麗で構図がしっかりしている。俯瞰のカットでは凝った撮り方もあり特殊な機材を使用していたのだろうか。

やっぱり映画は映像! ワンカットワンカットが熟慮された絵のような映画は大好きだ。


BGMは重厚で概ね良かったがちょっとサスペンス的(何か起こるぞ~的な)過ぎると思う部分もあった。


エンドロールは英語だ。この作品が最初から海外に広く売り込むつもりで制作されたことが窺える。


総評としては良く出来ていると思ったが心に残るものは無い。ハリウッドでのリメイクの可能性もあるかな。

評点・・・★★★☆  3.5