2019年度 117本目の劇場鑑賞
1970年代、アメリカの複数の州で30人以上の女性を殺害した殺人鬼テッド・バンディの映画化。
テッド・バンディ(ザック・エフロン)はアメリカでは有名な連続殺人の犯人。ハンサムで頭が良く、メディアを利用して雄弁に自身の無実を訴えた。
多くの女性が彼の無実を信じ、ファンになったらしい。
フロリダでの公判は全米でテレビ中継され、弁護士をクビにした彼自身が弁護を行った。
平穏に暮らしている場面ではドラマ仕立ての演出になっているが全体のストーリーは裁判の記録やメディアが得た資料に沿った展開になっていて殺害のシーンはほとんど無い。
最後まで無実を主張し続けていたのでどのように殺害したかは知る由が無い。また当然動機も分からない。
最後を除いてはテッドの主張に重心が置かれ、何処までが事実でどこが脚色なのか、また警察の証拠捏造や供述の強要・コントロールはなかったのか、と疑念を持たす演出になっている。
面会室のガラスのパーティションに指で書いた文字は本と?脚色?
史実に関係なく制作するのであれば最後まで疑念を持たせた形で終わらせた方が作品としては面白かったとは思うが事実は違っていたようだ。
あれだけの罪(未だ結審前だとしても)を犯した人間が堂々とテレビカメラの前で検察官をコケにすることが許されたのは彼が白人で見栄えが良く、また話が巧みだったからだろう。黒人だったらこうはゆかない。
アメリカでは見た目が良く、話が上手い人=優れた人、と評価されることが多い。
小生の経験でも会社の上層部にいる人は皆プレゼンが上手かった。言い換えるとプレゼンが上手くない人は決して上には行けない。
プレゼンのスキル(もちろん話し方だけではなく、演出、資料の見せ方等、つまり優秀だとも言えるが)が最も大事な出世の鍵になる。
スティーブ・ジョブスが良い例だ。彼はプロデューサとしての実績は素晴らしいが、真の技術者ではなくプログラム(ソフト)を1行も書くことができない、とビル・ゲイツはバカにしていた。しかしながら彼のプレゼンは皆の知ってのとおり。
退屈な部分、緩んだ所がなく、最後のリズ(彼にとっては最愛の彼女)(リリー・コリンズ)の告白は衝撃的。映画として(構成、展開として)良くできていると思った。
最後は当時のテレビ映像(検察官とやり合う場面やフロリダでの公判)が流され、字幕で死刑執行前にとうとう犯行を自白したことが伝えられる。
評点・・・★★★☆ 3.5
『バックに流れる音楽はELPなど70年代の曲や重厚なシンフォニーの曲など凝った使い方をしていて楽しませてもらった。判事役のジョン・マルコビッチはやっぱり良いな!この作品では控えめの芝居だった。』
