2019年度  33本目の劇場鑑賞


以前、知人のクルマの助手席に乗せてもらったところ、その知人はノートパソコンを膝の上に乗せながらハンドルを握り、視線は前方と下方半々に目を向けていた。

「おいおい!ちょっと待ってくれよ。オレ、運転するって!」と勿論言ったが、株式取引の1秒足りとも目を(気を)外らせられないのを目の当たりにして、たとえ儲かっていたとしても哀れな気持ちにしかならなかった事を覚えてる。

この作品のテーマは、「スローライフ」「急がば回れ」だと思う。

ニューヨークで、株の高頻度取引システム構築を確固たるものにすべく、データセンターのあるカンザスから1600㎞の光ケーブルをあくまでも直線で引こうという、とんでもなくイカれたプロジェクトの顛末を描いた実話ベースのドラマ。

直線⁉︎  実話⁉︎  バカな⁉︎
予告編観てこりゃ見逃せない!っと劇場に。

これによりアクセス時間を1㎜秒縮めて、年間500億の儲けが出るというのだが、工事を進める途中には、様々な障害、妨害、また主人公の健康問題など沢山のトラブルが発生していく。

作品タイトルの〝ハミングバードプロジェクト〝というのは、ハチドリの羽ばたきと、このプロジェクトの目標値が同じ0.0016秒であるところから来ている。

この作品を観て良くわかったのは、株式取引は景気とか企業業績とかではなく(長期の場合はまた違うだろうが)、如何に他より早く(速く)、如何に他を出し抜く事なんだと改めて理解した。

しかし、物語は農場の男と出会う事でまた違う色合いを見せていく。

ラストシーン、主人公2人が農場の納屋で横たわるその前で。
叩きつける豪雨が、ゆっくりと遅く遅くコマ送りされることで、まるで雪の様にスローモーションで切なく表現される。

2人の結末における心情はやはりこれだ。

誰にも邪魔される事なく、マイペースで自給自足で生きていけるならば、これこそスローライフ、リアルライフなのかも。

モノの進化は、ヒトの退化、特に心の退化。
常に反比例していくのだろうが、やっぱり大抵の人間はお金に左右されてしまうよな。


評点・・・★★★★  4
『ヴィンセント役のジェシー・アイゼンバーグは、相変わらずの早口セリフでなかなか適役。ウディ・アレンの作品にももう2作出てるんですね。まだまだこれからが嘱望される俳優さんなんだ。片や、いけ好かない女社長エヴァ役には(ヴィンセントも充分いけ好かないヤツだが)、大御所サルマ・ハエック。こちらはどうでしょう⁉︎ 私個人としては多少違和感あり。声が、、、社長って感じでは、、。やっぱ〝レジェンド・オブ・メキシコ〝が強すぎて。』