(モッサン 新作)

2019年度  29本目の劇場鑑賞


ロバート・レッドフォードの俳優引退作。

だから見逃せない、絶対に!
良かったです! 結論から言えば。

舞台は、80年代のアメリカ。
ポケットからチラッと拳銃を見せるだけで、微笑みながら誰も傷つけずに何件もの銀行強盗を成功し、(捕まれば失敗⁉︎)なんと18回もの脱獄をやってのけた実在のフォレスト・タッカーなる人物を演じています。

お洒落で、静かで、切ない大人のコメディ映画と言って良いと思う。

テイストは全然コメディじゃないけど、とにかく会話がウィット!つい微笑んでしまう。

シシー・スペイセク演じる妙齢の未亡人との儚い恋のサイドストーリーも良い。
〝燃える恋〝とまではいかなく、刹那的な恋と分かっていながら進む2人のアンニュイな時間がなんとも素敵。

この作品はアダルトですよ。
若くても40代中盤〜でしょ、分かるのは。
20.30代にはまあ無理。
子育てもそろそろ終わりかけの夫婦だったり、終活がほんのり見えて来た黄昏時の人間には心に染みるハートルフルさ(私はまだまだこの作品が分かる入り口だと思いたい)。

〝明日に向かって撃て!〟や〝スティング〝など彼の代表作へのセルフオマージュも随所に盛り込まれている。

クリント・イーストウッドもそうである様に、深く刻まれた皺、年輪。
80代とは思えない程の髪の量。
この作品では、如何なる時もスーツを着込み紳士的態度を崩さない。
あー、私もこうして年を取りたいと真に思った(まあ無理だ)。

カーチェイスで流れるのは淡々としたカントリーミュージック(現代ならラップかな⁉︎)。
主役は、犯罪者なのに温かな気持ちにすらなる(実際、銀行の職員もそんな気持ちを持ったらしい)。

どのシーンでも、観る側に心を波立たせない、美しく穏やかなラスト作だったと思います!


評点・・・★★★★☆  4.5
『作品自体の総合点は4だと思います。でもロバート・レッドフォードの引退作だから+0.5‼︎ 俳優は引退しても監督はまだ続けるんでしょうきっと。そうしてもらいたい是非。この作品、あげればキリがない程、瞬間を切り取った良いシーンがたくさんあります。是非、時間のある方にはオススメしたい。原題は、〝the old man&gun〝、そのまんま。邦題は原題より良いけどもう一捻りなかったか⁉︎』