(sheen 新作)

2019年度  70本目の劇場鑑賞

 
バレリーナを目指すトランスジェンダーの女性ララの苦悩と親子の愛情を描いた実話を基にしたドラマ。

先ず気が付いたのは言語。ララと父親とはフランス語で話し、他はたぶんベルギー語(ドイツ語に似ている)。
 
15才(作品中16才の誕生日を祝うシーンがあった)のララはホルモン治療を受けながらバレー学校へ入学し、猛訓練を続けてプロを目指す。6才の弟の世話をする彼女は母性本能に満ちた女性そのものだが一日でも早く肉体的にも女性になりたかった。しかしながら何故か手術は2年後に予定されていた。表面的には皆彼女の性を認めていたが、学校での苛め、ボーイフレンドへの思いもあり、彼女は2年も待てなかった。 

 
ララは頑張り屋で辛抱強い。氷で冷やした耳に自分でピアスを刺し込むシーンは後の衝撃的な決断を暗示していたのか。
 
口数が少ないララなので精神カウンセラー、医者、そして父親も彼女が追い詰められていることに気が付かない。そもそも大人は自分の経験から多くの悩みは時間が解決することを知っているので子供の悩みを軽視しがちだ。何でそんなつまらないことで自殺を?の事件も。その時になってやっと当人たちのシリアスネスを知ることになる。
性のことよりもこちらのテーマの方が重かったと小生は感じた。
 
この作品ではララ役を選ぶのに大変時間がかかったと聞いている。容姿だけでなく、声、表情、そしてバレーができなければならない。 

バレーの練習シーンが多く、スピード感を出すために手持ちカメラでの撮影だったが小生はあまり好きではない。そもそも24コマ/秒では早い動きだとボケてしまい、加えて手持ちカメラでもボケが増す。コマ数を多くすると映画らしくなくなる、と言う人も多いが小生はコマ数が多ければ多いほど良い、と信じている。例えば60コマ/秒とか。NHKは120フレーム/秒を目指している(8K)。
コマ数が少ないと素晴らしく美しい風景もカメラがパンすると映像はボケボケになり台無しになってしまう。
 
エピソードがもう一つ二つあっても良かったと思った。


評点・・・★★★  3

↓予告編