過密なスケジュールをこなし続けた私の自転車。
本当に連続で警察官の職務と向き合ってきたので、限界だったんだろうね。
パンクした。
でも、遠くへ行きたいからね。
自転車乗りたい。
「もうちょっと頑張ってくれんかなぁ。」
「片道分だけでもいっか!?」
カミカゼがよぎる。
わずかに胸がつまった気がした。
自転車にだけど。
でも、作戦指令を下す上官の様に、心を鬼にして私はガムを咬み始める。
ここ最近警察官に停められた日々…
飲んだら乗るなの精神で、友人に帰りは運転してもらったあの日…
パンクを修理するため、100均へ行って自力でパンク修理したこと…
愛媛や岡山に乗っていった旅…
パンクしたまま乗り続けて、タイヤのゴムはなくなっていき、ホイールのみになって、まるでサーカスの綱渡り専用の自転車かと思われるくらいのデザインをまとっていた時代…
一瞬にして思い出された。
(この自転車に関しては、二つ目までである。それ以降は別の自転車エピソード。)
走馬灯が走った後は、咬んでいたガムの活躍。
空気いれ全開でポンプしまくると、どこかから
シューーーーーと
音がする。
音源を発見し、ガムをねすりつける!
これでもかとねすりつける!
ねすりつける!
ねすりつける!
ねすりつける!
音が止んだ。
自転車も覚悟を決めたのだろう。
静寂が二人を包んだ。
シューーーーーは、私には聞こえてこなかった。
私も覚悟はしていたが、予想以上に、むしろ必要以上にねすりつけたのだろう。
イメージを超越した手の黒さだった。
出発する前にこの汚れは落としたいと思い、洗ってから出発。
成る程。
なんだってそうだろう。
罰ゲームを与えられて、覚悟を決めて、いざ罰ゲームだと思ったら、やっぱその罰ゲーム後で…
明日にしよっか?
となると、すこぶる鈍る。
覚悟が鈍ると、そこまで持っていく、それ以上にするとなると、無理に等しい。
それほど本気の覚悟というものには、鬼気迫るものがなくてはならない。
がしかし。
but しかし also または。
それを知っておきながら、覚悟を決めた自転車を放置して、洗手を優先してしまうとう失態をぶちかましてしまった。
スーーーっと音をたてていた穴は、完全にガムで塞がれたまま、おもいっきりパンクしている。
全てを悟った私は、謝る事すら無礼と感じた。
無言を貫く。
車輪が舞う度にゴムの音。
たまたま乗り上げてしまった、視覚障害者誘導用ブロックにホイールがはまり過ぎてよろけたり。
この難易度のうえ、ライト点灯の義務。
車輪が回る摩擦によってライトが灯る仕組みの為に、抵抗は増える。
わたくし、急に競輪選手目指そうとしたおじさんよろしく。
競輪選手、そんな甘くないやろ。
ま、結局ガムをねすりつけろーが、ねすりつけまいが、状態はかわらず、ただただ自らのチャリにガム吐きつけてから運転したっていう話。
空気抜けてるうえに、ガムまでつけてる傷だらけのオマエ!
パンクだぜ!
8/9の日記にすればよかった。
都会の蝉は寂しそうに、しかし力強く独唱していた。
