ヴァイオリン:後藤苺瑚さん(ピアノ:向井もと子さん)
ピアノ:鈴木桃子さん
サクソフォン:田村亮太さん(ピアノ:小林浩子さん)
ソプラノ:桑野彩さん(ピアノ:手塚由佳さん)
ピアノ:高橋萌香さん
今年の県コンでの各部門の上位者によるコンサートです。
中でも個人的には弦楽の後藤さんが楽しみでした。本大会時での小さな体ではありますが、非常に大きな演奏姿に感動したものです。
このコンサートでは本大会時に演奏した曲は必ず演奏した上で、一人20分~30分程度の演奏です。本大会時の記憶を改めて呼び起こされると同時に、それ以外にどんな曲を演奏するのだろう、とそんなところも楽しみです。
全体の進行はBSNのアナウンサーさん(ゴメンナサイ、名前は失念)が担当され、演奏後に簡単なインタビューも行われました。
客席も前回のように補助席が追加されるほどではありませんでしたけど、盛況でした。これから活躍するであろう(というか既に活躍している人もいますけど)皆さんの晴れ舞台ですし、注目度も高いのでしょうね。
■後藤さん
笑顔で登場し今回も堂々としていますね。まだ小学校2年生ですし小さいからだなのですが、非常に大きな演奏は健在ですね。音もしっかりしていますし、観ていて本当に楽しいしワクワクしてしまいますね。
インタビューでも、
・今日の公演もそんなに緊張しなかった
・次のコンクールではもっと上の賞がとれるようにがんばりたい。
などなど、大物感が漂いますね。
■鈴木さん
非常にキレのある演奏という印象です。本大会でも演奏したハンガリー狂詩曲12番は、今回さらに良かったように思えますが、個人的にはリストの「夕べの調べ」が非常に鮮やかな演奏で素晴らしいと思いました。
鈴木さんの演奏は本大会での演奏が初めてだったのですが、また聞かせていただきたいですね。
■田村さん
立ち居振る舞いも堂々としていて、見ていると「場慣れ」している感じがしますね。
インタビューでは「非常に緊張しました」とは答えていましたけど、そんなのも「ジョーク」に聞こえてしまいます(笑)。
ピアノの小林さんとのペアも非常に良いですね。個人的には1曲目のトマジさんのサクソフォン協奏曲は特に前半はピアノの非常に小さい音での演奏なのですが、ものすごい存在感を放っていたのが特に印象的です。
田村さんと小林さんはデュオリサイタルも含めてもう本番をいくつもこなされていますしその辺からくる安心感のようなものも感じ取れますね。
またこの日は3曲の演奏のうち、2曲目は普段の「アルトサックス」ではなく「バリトンサックス」での演奏もありました。
正直、受賞者コンサートで本大会受賞した楽器と(厳密に言えば)違う楽器というのも相当自信がないとできないと思うのですが、さすがお見事な演奏でした。
■桑野さん
もう実力者としても十分知られていますし、非常に透明感のある美しい歌声ですよね。
本公演での演奏が歌劇の曲でしたけど、この日はそれ曲以外は日本の歌曲を選択されていました。
その辺も桑野さんのこだわりだったのかもしれませんけど、耳に残る素敵な演奏でした。
■高橋さん
今大会の大賞です。大賞受賞者として演奏をするのも結構なプレッシャーがあるとは思うのですが、前半のドビュッシーは非常にきらびやかなでカラフルな印象を受けましたし、後半の対象受賞曲のデュティユーは、メリハリの聴いて振り幅の大きな演奏ですね。
正直、他の人の演奏の記憶がなく比較できないので「高橋さんらしい」演奏かどうかというのは私ではコメントできないのですが、なんとなく高橋さんなりの世界というか解釈というかがしっかりできていてその自信がしっかりとした演奏につながっているんだろうな~、なんてことは考えました。
トータルで2時間半くらい。今後も活躍するであろう皆さんの素敵な演奏を聴くことができて満足ですし、今後もまた楽しみにしたいですね。
(だいしホール 800円)