05/14 クラリネットとファゴットによる春のクラシックコンサート | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

クラリネット:岩渕仁美さん
ファゴット:江草智子さん
ピアノ:斉藤晴海さん

ベートーヴェン:3つの二重奏曲 第一番 ハ長調 WoO 27-1 より 第三楽章
ジェイコブ:二重奏曲
プーランク:ファゴットとクラリネットのためのソナタ
ビゼー:「カルメン」より第三幕への間奏曲
~休憩~
モーツァルト:オペラ「魔笛」より4つのアリア
 「恋人か女房か」
 「私は鳥刺し」
 「心正しい人が」
 「恋を知る男たちは」

メンデルスゾーン:演奏会用小品 第二番 ニ短調

古町どんどんをぶらぶらして、さらにいろいろと時間調整してからりゅ~とぴあへ。ちょいと疲れた身体を休憩しつつ時間まで待ってました。

時間となりお二人が登場。薄い色(水色とピンクっぽい紫)のドレスのお二人がご登場、非常に美しいです。

前半はまずはクラリネットとファゴットのためのオリジナル曲から。
勝手なイメージというか予想だと木管っぽくやさしい曲が多いのかな~、なんて思っていたのですが、今回の演奏はちょっと派手というかちょっとポップな感じの曲が多かったですね。

そしてこの「ポップな感じ」というのは普段オケなどでは(特にファゴット)縁の下の力持ち的に低音部分を支えるサブ的な役割が多いですけど、今回の編成で主役にでてくることによって、普段あまり表には出てこない「陽気さ」とか「愉快な感じ」が前面に出てきているのかな~、なんて思いました。

クラリネットも普段のオーケストラなどですとほとんど使われない高音部分も使われており、
オリジナルの曲ならではのよさを感じさせてくれる演奏でした。

また、演奏だけでなく、お二人のトークも非常に良かったです。
気さくな感じですらすらと話す岩渕さんと、非常に丁寧な感じで話す江草さんという対比も面白かったですし、内容も単純な「曲紹介」だけではなく、それぞれの楽器のことだったり、演奏曲の裏話的なことも話されて、説明というよりは「楽しい講義」を聴いているような感じでしたね。

・今回の編成のオリジナルの曲は非常に少なく、メジャーどころは今日の演奏会で演奏した曲くらい

・クラリネットとファゴットは両方とも音域が広い(3オクターブくらい)けども、クラリネットの高音部分は音色があまりきれいでない(とはっきり言ってしまうあたりが面白かったです)こともあり、オーケストラではあまり使われない。

・クラリネットのA管、B管はトランペットなどの強い音色に対抗するためだったり、演奏のしやすさ、などの理由で発展してきている

・ベートーヴェンの曲は実際には本人の作ではない可能性がある(日記や友人への手紙などの中に記載がなかったり、自筆の楽譜が残っていない)

・ジェイコブの曲は映像作品のサウンドトラックとして作曲されたが、その映像作品はストーリーが明確なものではなく抽象的というか幾何学模様的な感じ

・プーランクの曲はストラヴィンスキーの作品(特に「兵士の物語」)の影響を受けている可能性がある。
 ※「兵士の物語」といえば岩渕さんは去年12月の「トリオペルラ」としての公演で演奏されていますね。

などなど、文字にしてしまうと面白さが伝わりませんし、ひょっとしたら私がうまく理解できていないこともあるかもしれませんけど、いろいろなことを自然に話されている感じが非常に良かったです。

さらには、プログラムにはなかったですけど、オーケストラの中での2つの楽器の役割のご紹介ということで、

・ベートーベンの田園
・チャイコフスキーの交響曲5番
・プロコフィエフの「ピーターと狼」

でクラリネットとファゴットが活躍する場面の抜粋の演奏もありました。こう聴くとオケで活躍するのとオリジナル曲での活躍というのはやっぱり活躍の仕方というか雰囲気がぜんぜん違うな~、ということが良くわかりますね。本当にサービス満点でした。


前半最後と後半はオペラの曲をクラリネットとファゴット用の二重奏用に編曲してのもの。
これは、今日の共演のピアノの斉藤さんが伴奏のスペシャリストということでの選曲だったと思うのですが、後半の冒頭で「しゃべりすぎてかなり時間がかなり押していますけど、後半も曲の説明はします」と宣言していました。

いいことだと思います(笑)。

個人的には

・日本語で「魔笛」という題名だとちょっとおどろおどろしいイメージがありますけど、実際の物語はそんなことはなく、「魔法の笛」と訳したほうがぴったりくる

というのが一番納得してしまいました。

プログラム最後はピアノを含めて3楽器のオリジナルのメンデルスゾーン、そしてアンコール。
当然ですけど、ピアノも加わるとまた雰囲気が変わりますね。でも、それぞれのよさがお互い引き出されているような、きれいな演奏でした。

全体を通して、演奏だけでなくクラリネットやファゴットという楽器自体の良さだったり、いろいろなことを伝えて、お客さんに楽しんで欲しいということが伝わってくる公演だったと思います。この日は本当にいろいろ有力な公演が重なって非常に迷いましたけど、この公演を選択して満足です(もちろん、他の公演もすばらしかったと思うのですが)

(スタジオA 1500円)

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また、夜にりゅ~とぴあ近辺の公演があったときの私の定番で、「Dr可児」さんで食事をしていたら、公演を終えた皆さんが打ち上げにいらっしゃって、少しお話させていただきましたけど、ラッキーでした。

岩渕さんと江草さんは今後も継続して公演をやられていく予定ということもおっしゃられていましたし、斉藤さんももう新潟の最近の公演では非常によくお見かけして大活躍ですけど、夏にはご本人企画の演奏会も開催されますね。

今後もまた聴かせていただけるのを楽しみにしたいと思います。

打ち上げ中のところ、許可(撮影&ブログ掲載)をいただいて。


斉藤さん企画の公演「Aber eins」
こちらも楽しみです。