越友楽道さんの第5回目の公演です。
チェロ:根津要さん
チェンバロ:笠原恒則さん
のお二人に、今回はゲストとして、
フルート:浅利守宏さん
が加わっての公演です。
まずは、県政記念館との共催ということで、
県政記念館の館長さん(あれ、副館長さんだったかな)が、
県政記念館の簡単な歴史をパネルを使って説明してくれた後で、
演奏のスタートです。
最初は越友楽道のお二人で2曲。
さすが実力者のお二人のアンサンブルですね。
安心してじんわりと聴きます。
中でも、マレさんの「人間の声」と「つむじ風」は、
なんだかとってもゆ~ったりした感じの曲と、
なかなか激しい曲の対比が面白かったです。
その後、笠原さんのソロが1曲あったあとで、
ゲストの浅利さんが入場し、
根津さんとのデュオでテレマン、、そして、三名でヴィラロボスが
演奏されました。
ヴィラロボスではプログラムでも「蒸気機関の動きや汽笛を思わせる」
とあったのですが、なんだかフルートから発生しているとは
思われないような面白い音も聴けました。
休憩後は、また3名で王道のヘンデルおよびバッハから3曲。
まさしく変に足したり引いたりしないというか、
全体的な曲の雰囲気としては(へんな表現ですが)
普通の曲だと思うのですが、
フルートが華やかに唄うのをチェロとチェンバロがしっかりと
支えているというような、本当に素敵なアンサンブルでした。
■
全体的に、県政記念館の絨毯、窓、柱時計等々、
宮廷内を思わせるような素敵な空間の中で進行する、
大人の公演という感じがしました。
選曲もなんというかポップな感じの曲はありませんし、
公演中もアンコール前までは言葉による曲の紹介、説明等は全くなく、
途中で浅利さんが参加されるときと、
休憩に入るときに笠原さんが、一言、二言、
言葉を発したくらいだったのですが、
決して「堅苦しい」とか「冷たい」という感じは受けないんですよね。
なんというか、演奏中はすごい緊張感はあるのですが、
曲が終わると演奏者の皆さんがふっと柔らかな空気をまとって、
決して大きな動作ではありませんが、アイコンタクト等で、
お互いを労っているのがわかるんですよね。
で、最後の最後、全プログラムが終わった後には
がっしり握手です。いいですよね、見ていて気持ちよいです。
私はこのブログでもよく書いていますが、
どちらかというと全体的に気楽に楽しめる、というか、
できれば曲紹介等もしながら明るく進行するのが好み、
というようなことも書きますけど、
今回のような公演もいいな~、と思わされましたね。
貴族のような浅利さん、武士のような根津さん、牧師のような笠原さん、
と異なる魅力を持った3名の男性の素敵な公演でした。
※もちろん、上記の例えに関して異論は認めます(笑)。
■
今日の公演中、
どうしても会場の特性上完全防音というわけには行きませんから、
時折、外から救急車の音や宣伝カーの音が聞こえてくることはあるのですが、
演奏中は個人的にはそんなに気にならなかった、というか、
楽章間とか曲間にふっと「あ、鳴ってる」と気づくような感覚もありました。
それだけ、3名の演奏がよかったということなんでしょう。
■
越友楽道さんは去年は中野さん、加藤さんのパフォーマンスとの共演で、
素晴らしい公演でしたし、とっても気が早いですが、
また次回の公演を楽しみにしています。
(新潟県政記念館 事前申込み 2000円)
毎度のごとく、開演前に調整中の笠原さん。
県政記念館の会場の様子もちょっとわかるようにひいた感じで。
県政記念館ちょっと上のほう
帰り際、スマホを会場に忘れてしまい、取りに戻ったのですが、
その際せっかくなので撮影させていただきました。