一迅社文庫のカバーって、書店さんで「変わった作り込みしてますね」って言われるんですよね。
こんな風に、背表紙や裏表紙にもイラストをこんなに大きく入れてるのは一迅社文庫だけですが、この基本フォーマット、文庫全体のデザインを作ったのは「デザインユニット/コメワークス 」というところで、デザイナーは「木緒なち」というかたです。
「木緒なち」と聞いて「あれ?」と思った18歳以上のかたは、たぶん当たりです。
18歳以上向けの美少女ゲーム、とくに「ねこねこソフト」のシナリオライターで知られる木緒氏ですが、本来はデザイナーが本業なんです。
とくに、美少女ゲーム業界はゲームを入れてるパッケージ、箱が大きくものを言う業界です。
一迅社文庫のカバーデザインは、そんな業界で多数のゲームのパッケージデザインも手がけてきた木緒氏のこれまでの経験を生かして、ライトノベルとPCゲームのパッケージの要素を足してできあがっているんです。だから背にもイラストが大きく入ってるんですね。
ちなみに自身がシナリオライターでもあることから、小説の内容を自分なりに理解してからデザインするのも木緒氏ならでは。●●のゲームみたいな話、××の本みたいな話も通じますし、場合によっては初稿を読んで「こんなの追加してみました」という提案もしてもらえるので助かります。
たとえば、この『読書の時間よ、芝村くん!』のカラーページのイラストも。
これだけだとデザインとしては今ひとつつまらないですね。
でも「楽しそうな感じにと頼むと「前にRPG作ろうとしたときに作った素材を使ってみました」と、こんな風になって戻ってきます。
具体的に指示を出さなくてもここまでやってくれるデザイナーさんって、編集からすると本当に助かるんですよね。
他にも数人のデザイナーさんが、基本フォーマットに自分なりの改良を加えて色々とデザインの腕を競っていますので、機会があれば奥付のデザイナー表記を確かめて、デザイナーさんごとのクセなど確認してみるのも面白いですよ(T澤)