前回からの続き・・・・・第11話
「ブックレンジ交渉経緯と経過」
会社は32社の機関投資家訪問を終え、いよいよブックレンジの交渉に入る。
機関投資家は概ね評価が高かったが、一部他社との差別化とか強みが見えないなどの回答があった。
百戦錬磨の公開引受担当部長は、「かなりもめるよ!」と一言つぶやいた。「なぜ?」と小職は尋ねると、「評価が良すぎるのが、株価交渉において問題になる。」と言い放った!また、「もう社長の頭は株券がに見えてるから、もめるよ!」とも言った。
小職はよく理解できなかったが、前回の目論見書記載株価の教訓があり、慎重に考えた!
公開引受担当部長からは、この案件も含めていろいろ教わった。いくつかご披露すると!
「主幹事を獲るとかというより、社長の愛人を知ること!」
社長のプライベートを知るぐらい懇意になれば、自然に主幹事は獲得できるという意味!
「上場が近くなればなるほど、社長はただの株券がお金に見えてくる!」
「やばい話ほど、迅速に対応すること!」
あげたら、キリがないほど、いろんなことを学んだ!
話に戻るとエクイティーマーケッツ部の集計が終わり、社内で関係者が集まり会議が始まった。
メンバーは小職が所属する証券会社の企業部長、公開引受部長、公開引受部担当者と小職、銀行系証券会社は、公開引受部長、副部長、担当者に、エクイティーマーケッツ部長、担当者で、総勢10名程度であった。
エクイティーマーケッツ部の資料が配布され、目を通すと、株価は低く抑えられていた!
これから、2社が合併することが決定しており、投資家に対してミスが許されないために、意図的に抑えられた感があった。また、銀行系の方は公開引受部の担当者しか訪問していないのも影響した。
どうみても機関投資家アンケートの平均回答より、下の株価が提示されていた。
小職は怒りを感じていた!当然、会議は白熱し、小職側は機関投資家のアンケートを受けている割には、評価が低いことを主張!銀行側は、海のものと山のものとわからないベンチャーに対し、投資家リスクが高すぎるとか、そもそも機関投資家は、このての時価総額は株式を購入してこないとか・・・矛盾が矛盾を呼ぶような発言ばかりで、拉致があかない。
ちなみに小職側は、記載株価を下限にどこまで上に引っ張れるかがポイントで、向こう側は、記載株価を中心に上下のレンジを主張。
機関投資家は、記載株価近辺が60%で、残り40%が記載株価より上で、一部記載株価の3倍を回答しているのもあった。
実際に交渉するのは小職側で、 向こう側は社内で抗弁言うだけ・・・小職はにとって、あり得ない出来事だった。
また、この会社の株は暴騰するという、株屋としての直感が小職に自身をもたらしてくれていた。
結局、下がったらどうすんだとか、水掛け論になり、ここでも公開引受担当部長が押し切ってくれて、最後は記載株価を下限にし、上限5万上に落ちついた。当然、投資家に対し説明できる範囲内であった。
このブックレンジで会社側に夕方交渉にいくことになった。
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続く・・・こうご期待!
