前回からの続き・・・第10話
「プレヒアリング!」
無事上場承認が下りたのもつかの間で、すぐに機関投資家と呼ばれるファンドマネージャー向けに1on1で会社説明に入る。だいたい1日4社から5社で5日間から7日間行われる。
会社側は株価を上げようと必死に説明するが、基本的には過去述べたように、有価証券報告書記載株価から前後するぐらいにしか変動しない。
機関投資家は会社説明を受けた後、プレヒアリングシートに記入し、主幹事証券に提出する。
プレヒアリングシートには、一般的には、妥当ブックビルディングレンジ、妥当フェアバリュー、強み、弱みなどが書かれる。
証券会社では、プレヒアリングに同行するのは、企業部マンもしくは機関投資家担当部署の担当者と様々である。
プレヒアリングとは実に形式的要素が強い!
なぜなら、企業部マンは会社側が一生懸命アピールし、何とかブックレンジを良くしようとする。
機関投資家担当部署の担当者は、IPOもしくはPO先を連れてくることにより、ブローカーズポイントを取る。ブローカーズポイントとは、いわば機関投資家がつける証券会社の通信簿である。
エクイティーマーケッツ部は、収集したアンケートをもとに妥当ブックレンジを模索する。
プレヒアリングで20社から35社程度訪問するが、実際ベンチャー企業で需要してくる機関投資家は10%から20%程度である。
そもそも証券会社及び金融庁が作った公平性をうたった仕組みである。
また、機関投資家も様々で、目論見書の範囲内の説明にもかかわらず、証券会社同席を拒否し、会社側に範囲外のことまで、根掘り葉掘りヒアリングしてくるとこもあったやに、聞いている!
それでも会社側は一生懸命説明し、自社をアピールする。
次回は、プレヒアリングの結果をうけて、ブックレンジの交渉になる!
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