いぺさんと離れて暮らし始めて、
五ヶ月。

瑠衣が産まれて、
一ヶ月位里帰りして、
今度は私たち夫婦と

瑠衣と、
三人で暮らせる。




と思っとった。



いぺさんと
付き合いたいって思ったのは、
いぺさんとの
子供がほしいと思ったけん。

この人と自分の子達と暮らせたら、
どんなに幸せやろうか。
と。

いぺさんとの子供を産んで、
家族水入らずで
のんびり暮らすこと。




もう8年くらい夢みとる。


さみしいって、
一時の感情に苛まれて、
瑠衣を危険な目に遭わせるなんて、
親としては絶対に、ダメ。いかん。



玄関のドアを開ける音、
鍵をおく音、
お帰りなさいって、
瑠衣と二人で。

言ってみたい。

毎晩毎晩頭を過る。



おかえりなさいって。

何でも無いようなことが、
幸せだったと思う。

ろーどや。






がまん。


あーちゃんが、
生前よく言いよった。

最近の若いもんは我慢をしらん。
戦後の人間に育てられた子供は、
我慢をしらん。

戦時中は我慢するしかなかった。
衣食住。すべて。
最近の若いもんは、
そのことすらしらん。

我慢。

人生でほんの少しの時間やから、
我慢や。
って思うけど、

この時間は、
一生に一度しかない。

けど、
瑠衣の健康にはかえられん。



隣には瑠衣の寝顔。

手が布団から出て、
冷たくなるけん、
そーっとミトンを着ける。



おやすみなさい。
瑠衣、いぺさん。