【島田賢一郎】愛の国から幸福へ――。そんなうたい文句で大ブームとなった、北海道帯広市の旧国鉄広尾線「幸福駅」の駅舎が、老朽化で改築されることになった。広尾線は26年前に廃止されたが、その後も観光客は絶えず、駅舎の壁や天井は訪問者の名刺や切符で埋め尽くされている。独特の光景とも、いったんお別れだ。【写真】名刺などで壁や天井が埋め尽くされた幸福駅=8月29日、北海道帯広市幸福町 広さ20平方メートルほどの駅舎に足を踏み入れると、まるでお札(ふだ)のように、名刺や写真、切符、期限切れの定期券が画びょうやピンでびっしりと留められている。よく見ると、恋愛成就を願う言葉や「かわいい子どもが生まれますように」「家族が健康でありますように」などと願いを込めたメッセージが添えられたものも。 「皆さんの様々な思いや願いが詰まっているんですね」。29日、家族旅行で立ち寄ったという名古屋市東区の大学生石川友貴さん(21)と両親は、感慨深げに見つめていた。
朝日新聞社