宇和島市という名前を聞くと、なぜだか胸の奥で潮の香りが小さく跳ねる。
行った覚えもないのに、まるで懐かしい親戚の家みたいだ。
東温市に住んでいる僕にとっては、宇和島は“同じ愛媛だけど、なんだか遠い親戚の町”という印象が強い。
県内とはいえ、四国の端をくるりと抜け、山を越え、風をまっすぐ切り裂きながら車を走らせて行くその時間は、まるで旅だ。🚗💨
そんな宇和島市。
2025年12月1日現在の人口は 65,551人。
平成27年(2015年)には 80,541人だったという。
数字だけを見ると、胸の奥がひゅっと冷たい風にさらされたような気がする。
──15年で約15,000人減。
静かに海が引くように、人が少しずつ遠ざかっていったのだろうか。
それとも、都会が巨大な吸い込み口になって、若者をすぽんすぽん吸い込んでいったのだろうか。
そんな想像をしていたら、キッチンで沸かしていたヤカンが「シューッ」と騒ぎ始めた。
まるでこの現象に抗議しているかのように。
「人は出ていくばかりじゃないぞ!!」って言っている気がする。☕😆
▽
宇和島といえば、真っ先に思い浮かぶのは海。
潮風の匂い、日焼けした漁船の音、ぎゅっと塩辛い風といっしょに聞こえてくるカモメの声。
僕の五感の中には、まだ見たことないはずの宇和島の景色が、ちゃっかり座り込んでいる。
さらに、宇和島は愛媛県の南に位置している。
山と海に抱かれ、時間がのんびりと伸びているような場所だ。
観光パンフレットによると、闘牛もある。
牛さん同士がドンッ!とぶつかり合うあの迫力。
その音は、たぶん“地響き”じゃなくて“地元の鼓動”だと思う。🐂🔥
都市の人口が減ろうと、そこに息づく文化が消えない限り、町は死なない。
そんなことを想像すると、胸の中にじんわりと熱いお茶が染みる。
▽
しかし、数字はやっぱり正直だ。
80,000人の町が65,000人になる。
その差分は、まるで家族写真から誰かがそっと抜け落ちたような寂しさを連れてくる。
商店街のシャッター、空き家になった家、電灯の数が変わらないのに、夜道が少しだけ暗く感じるあの感覚。
人口というのは景色そのものを変えてしまう。
それは、建物が消えることじゃなく、音や匂いが変わってしまうことだ。
例えば、漁港で聞こえる声。
昔は漁師たちが大声で笑っていたとする。
今は同じ笑い声でも、人数が減れば、音の厚みも薄くなる。
同じ海風でも、空気の密度が少し軽くなるような、そんな想像をしてしまう。
──寂しいな。
そう思った瞬間、窓の外から子どもたちのはしゃぐ声が飛び込んできた。
東温市の夕方。スーパーの前で、ランドセルを振り回して遊ぶ小学生の笑い声。
風の匂いには味がないはずなのに、なぜだか甘く感じた。
──まだ、日本の地方は終わってない。
そんな小さな実感が、僕の中に灯った。
▽
人口が減るというのは、言葉にすれば一瞬だ。
だが、町にとっては時間をかけて、静かに、少しずつ内部から削れていく現象なんだろう。
誰かが一人いなくなるごとに、祭りの担い手が減り、学校の教室が空き、商店街のシャッターが下りる。
でも、そんな中でも、町には必ず“根っこ”が残る。
文化、人の気質、笑い方、景色の色。
たとえば宇和島の闘牛、海の匂い、太刀魚のきらめき。
それは、流行じゃなく、生活そのものだ。
観光客がいなくても、名物が売れなくても、そこに暮らす人が続ける限り、文化は消えない。
──残るものは、きっと、人だ。
人口が減っても、そこにいる人間の体温が町を支える。
そう考えると、寂しさの中にも光がある。
▽
東温市に住む僕にとって、宇和島は「遠いけど同じ心臓の鼓動」を持った仲間みたいだ。
県庁所在地の松山、県境の四国中央市、海の町今治、みかんの町八幡浜。
愛媛には、いろんな色、匂い、暮らしが集まっている。
その中で、宇和島は“青い匂いのする町”だと思う。
潮風の青、空の青、魚の青、時間の青。
青は冷たい色だけど、人がいると温度が生まれる。
──人がいる限り、青は温かい色になる。
人口が減った町を見て、ただ悲観するんじゃなく、どこに温度が残っているのか。
僕らが目を向けるべきなのは、きっとそこなんだろう。
未来は、数字じゃなくて、体温でできている。
▽
宇和島の65,551人。
その一人ひとりの生活には、朝の光、潮の匂い、魚の感触、夕焼けの色、そして明日の気配がある。
それを想像していたら、東温の風が少しだけやわらかく感じた。
僕らは別々の場所で暮らしているけど、同じ愛媛の空の下、同じ季節を見ている。
──懐かしさと寂しさと希望。
その全部を抱えて、生きていく。
地方の未来は、静かに熱い。🔥🌊🌅
調べている途中で、ふと面白い発見があった。
宇和島市の人口65,551人と、なんとほぼ近い“仲間”がいるのだ。
それが 秋田県・大館市(人口64,314人) 🦊🍎
大館市の人口64,314人をきっかけに感じたことをゆるく書いてみた日🍵
北と南、
海と雪、
闘牛ときりたんぽ。
まるで性格の違う兄弟みたいで、思わず笑ってしまった😂
場所も文化も違うけれど、
人口の規模が近いだけで、どこか親近感が湧く。
数字って冷たいようで、こうして繋がりを見つけると温度を持つ。
──地方の町は、遠くても似ている✨
🐂🌊❄️🍖💫
いつか、大館市にも行ってみたい。
そして、宇和島との“偶然の縁”を確かめてみたくなった。🚗🌍💭
