システム開発プロジェクトの成功率は31.1%
日経コンピュータ2008年12月1日号の特集は、
第2回 プロジェクト実態調査800社
成功率は31.1%
測れば2倍うまくいく
というものでした。
調査結果の要点は、
・システム開発プロジェクトの成功を、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)の
3点で測る。
・アンケート調査を実施した結果、プロジェクトが成功したという割合は、
全体の31.1%に過ぎない。
・ただし、プロジェクトに対して何らかの定量管理を実施している場合、
成功率は45.6%、定量管理をしていない場合は24.3%と、
2倍近い差異が見られる。
私の印象としては、「さもありなん」といったところでしょうか。
上記の調査結果は、単純に定量管理するようにすれば、成功率が
2倍になるということを言っているわけではありません。定量管理を
することで、システム開発の成否を左右する問題の発生を、予防できる
ということをあらわしているのだと思います。
従来から、情報システム開発プロジェクトでは、なんらかのプロジェクト
管理は行われてきたはずです。しかし、その管理を行っていても、
当初計画からの差異が発生した場合、その影響の大きさを明確に
表し、Sierとクライアント企業間で共通の認識を持つことは困難で
あったと感じます。
そのため、クライアント企業は、「なんとか、当初の計画通りに」と
要求し、Sierは「根拠はないが、なんとかやってみます」的な対応を
とることが多かったように思います。その結果はというと、「やって
みたが、どうにもならなかった」ということが多かったのではないでしょうか。
これは、発注側/受注側の力関係の問題もありますが、発生している
問題が、QCDについて最終的にどのような結果をもたらすかを正確に
把握できていないため、適切な判断ができなかったということだと思います。
適切な判断を、適切なタイミングで行えなかったことが、最終的な
プロジェクトの失敗の原因になっているのではないかと推察されます。
それに対して、定量管理を行うと何がおこるのでしょうか。
定量管理ができる状態というのは、システム開発プロジェクトが
QCDについてモデル化され、計画と実績が定量的に測定、比較可能な
状況に鳴っているということだと思います。
また、モデル化されているが故に、最新の実績の状況から、最終結果が
シミュレーションできる状態にあるのだと思います。
このことは、プロジェクト管理について、次のような効果を生み出すと
思います。
・進捗状況について定量的に把握されるため、プロジェクトの関係者間
(Sier,クライアント企業間)で、進捗状況について共通の認識を持ちやすい。
・現状の進捗状況を把握できることで、早期に問題の発生を把握できる。
早期に対応を取ることが可能になる。
・進捗の差異が最終的にどのような結果をもたらすのかが、定量的に
示されることで、問題の大きさなどについて、共通の認識を持ちやすい。
・以後の対策の違いにより、結果がどのように変化するのかシミュレーション
することで、関係者間でどのような対策を採るべきか、協議がしやすい。
また、協議を通じて、無計画な対策実施を回避できる。
つまり、現状と最終結果の姿が定量的に眼に見えるようになることで、
Sierとクライアント企業間で、現実的にどのように対応すべきかという
協議が可能になり、それがプロジェクトの成功にむけて、非常に大きな
ポイントになるということではないかと思われます。
次回は、定量管理の中のQ(品質)について、記載したいと思います。
-----------------------------------------------------------
News
先日告知をしましたが、当ブログで掲載しているような「経営に
貢献するIT」を実現するためのIT企画の方法を習得いただくための
研修を実施します。講師は、このブログの主催者であり、「経営
戦略の実効性を高める~情報システム計画の立て方・活かし方」の
著者である柴崎知己が勤めます。
詳細は、以下の案内ページを参照ください。
第4回 2008年12月18日(木)~19日(金) 東京国際フォーラム
『経営戦略の実効性を高めるIT企画研修 (東京)』 開催案内
第5回 2009年1月22日(木)~23日(金) 東京国際フォーラム
『経営戦略の実効性を高めるIT企画研修 (東京)』 開催案内
多くの方のご参加をお待ちしております。
よろしくお願いいたします。
-----------------------------------------------------------
このブログの TOPへ
********************************************************
当ブログは、インタープレイコンサルティング株式会社 の柴崎知己が
主催する「経営に貢献するITのあり方」や「ITの戦略的活用」に関して
検討するブログです。
【過去記事の一覧はこちら】
当ブログのメインテーマである「経営に貢献するITのあり方」や
「ITの戦略的活用」に関する記事の一覧は、以下を参照ください。
『ITの戦略的活用についての検討の軌跡 (掲載記事一覧) 』
日々思うこと、旅行記、グッズ紹介など、その他の記事の一覧は、
以下を参照ください。
『その他記事 掲載記事一覧 』
【特集記事】
『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』を如何に実現するか
『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』と『ITマネジメント』の融合
********************************************************
当ブログの主テーマである「経営に貢献するITのあり方」や「ITの
戦略的活用」の実現方法、IT戦略の立案方法について記載した
書籍の紹介ページはこちら 。(目次を全文掲載しています)

********************************************************
Copyright(C) 2008 Tomomi Shibasaki. All Rights Reserved.