経営課題の実現策を企画する 9 未実現能力の検証方法
前回の続きです。
作成するSCN図は、通常最上位のバリューを実現するための
あるべき像を描き出します。SCN図により描き出されたバリュー
実現のためにイネーブラーは、現状のケイパビリティーを考慮した
ものではありません。バリューを実現するためのあるべき
ケイパビリティー像が描かれていると考えるべきです。
このため、描き出されたケイパビリティーについて、現状すでに
存在するケイパビリティー、存在するが強化する必要があるケイ
パビリティー、存在しないため新たな創造する必要があるケイパ
ビリティーなどに色分けが可能です。
強化する必要があるケイパビリティー、新たな創造する必要がある
ケイパビリティーについては、SCN図の下部にひもづくイネーブラー
を通じて獲得することが必要になります。しかし、これらのケイパ
ビリティーが、獲得可能であるが従来必要としなかったため現在
存在しないのか、従来から必要性はあったが何らかの原因で
獲得できていないのかを、見極める必要があります。
「獲得可能であるが従来必要としなかった」という場合、SCN図
下部のイネーブラーの実施でそのケイパビリティーが獲得できる
可能性は、それなりにあります。
「従来から必要性はあったが何らかの原因で獲得できていない」と
いう場合(前回のエントリーの例で、役員の意向が問題になった
場合などが例として挙げられます)、SCN図下部のイネーブラーを
実施しても、そのケイパビリティーが獲得できる可能性は低い可能性が
あります。この場合、そのケイパビリティーを獲得するためのなんらかの
制約があることが多く、その制約を前提に実現策(イネーブラー)を
検討するか、その制約を取り除くための策をセットにして実現策
(イネーブラー)を設計する必要があります。
制約を前提にイネーブラーを検討する場合も、制約を取り除く策を
セットに検討する場合も、いずれもその制約が何なのかを特定しな
ければ、適切な対応はできません。この制約の特定は、どのように
して行えばよいのでしょうか。
こうすればよいという絶対的な方法があるわけでありませんが、
私が使用している方法は、次のような問題点構造分析の手法を
使ったものです。
問題点構造分析というのは、見えている問題事象を問題の現象と
原因という関係に着目して整理することで、問題の真の原因を
特定するための方法です。
具体的には、
① 検討する問題事象を定義します。
② 問題事象が発生している原因を検討します。
(なぜ、問題事象が発生しているのか?と問う)
③ さらに②で導き出した原因に対して、その原因の発生原因を
検討する。
(なぜ、この原因が発生しているのか?と問う)
この検討(なぜ?)を繰り返していきます。
この検討を行うことで、問題が発生事象と原因の関係に構造化され
ていきます。その結果、多くの問題事象を引き起こしている真の
原因が図式上で目に見えるようになります。
言葉だけでは分かりづらい場合は、拙書「経営戦略の実効性を
高める~情報システム計画の立て方・活かし方」の106ページに
説明と具体的な構造化分析の検討成果物を記載していますので
そちらを参照願います。
未実現イネーブラーの原因検討の場合、なぜ現在まで実現されて
いないのか、その問題点について洗い出しを行い、その洗い出された
問題点を問題点構造分析を活用して整理します。これを行うことで、
SCN図での検討では見えてこなかったケイパビリティー
(裏ケイパビリティー)が見えてきたり、他組織のケイパビリティーへの
依存関係が見えてきたりします。
問題点構造分析は、非常にシンプルなツールですが、有用なツール
です。お試しください。
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