『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 17 経営課題の抽出-KPI その3
バランスコアカードを用いた事業戦略の整理作業では、入手した
戦略情報から、経営課題とその課題の達成水準(KPI)の整理を
行います。先日からは、その中でもKPIの整理作業の留意点に
ついて記載してきました。
ここでの前提は、入手した戦略情報から、経営課題とKPIを整理
することにあり、経営者や事業責任者に代わって、企画担当者が
新たにプランニングするということではありません。
しかし、多くの場合、入手した戦略に経営課題については、それ
なりに情報が含まれていますが、その達成水準(KPI)については、
あまり明確にされていないことが多いです。
財務の視点に関する経営課題についての達成水準は、それなりに
読み取ることが可能ですが、顧客の視点以下については、
経営課題の設定がなされていても、その達成水準について
定義されているとは限りません。また、その達成水準が戦略立案者と
その経営課題の実現責任者の間で、コミットされていることも、
少ないのが実情です。
多くの企業において、達成水準が示されるのは、財務の視点に関する
経営課題だけのことが多く、顧客の視点以下については、その財務の
視点の経営課題(利益や売上高や効率化指標など)の達成のための
方向性が示されるだけで、達成水準までは戦略立案の段階で、十分に
見極めがなされていません。どれだけの水準で顧客の視点以下の経営
課題が実現されれば、最終的に財務の視点の課題を達成できるかの
検討は、戦略立案の次の検討フェーズに回されていることが多いようです。
IT企画者が、事業戦略から必要となるITのあり方を検討する場合、
この抜け落ちた経営課題の達成水準の整理を、どうすべきでしょうか。
戦略立案者に再確認するというのが本筋かもしれません。しかし、戦略
立案者の認識が、顧客の視点以下の課題に該当する課題についての
達成水準はより詳細な検討が必要で、次フェーズとして課題の実現
責任者が検討の上設定すべきと考えている場合、再確認しても答えを
得られる可能性は低いと思います。
この場合、IT企画者は、経営課題の実現責任者へ達成水準について
確認をすることになります。バランススコアカードが経営管理の仕組み
として活用されている企業であれば、各課題について達成水準が
設定されている可能性がありますが、そうではなく、今回事業に貢献
するITの実現のための作業方法としてバランススコアカードを利用して
いるだけであれば、経営課題の実現責任者に確認をとっても、答えを
得られる可能性は、同じく低いです。
このような場合、結局、IT企画者が検討を行い、たたき台を作成し、
その内容を経営課題の実現責任者へ提示し、内容の確定を図る
必要があります。ただ、検討する内容は、ITに関することではなく
事業戦略の内容検討そのものです。
IT企画者が、「事業に貢献するITを実現する」という目的を持って
取り組む場合、ITに関する深い知識だけでなく、事業そのものや
戦略立案に関する知識が必要となります。「事業に貢献するITを
実現する」ということなので、事業に関する深い知識があって
しかるべしと言えば確かにそうですが、それが本当にできるかと
いうと、結構ハードルを高く感じられる方が多いのではないでしょうか。
このあたりの作業を行うためのスキルを身につけるためには、
作業目的と作業方法を理解した上で、実際に検討作業を行って
みることが大切です。実業務としてその機会が無くとも、勉強の
つもりで自分で作業を行ってみることです。それを繰り返すことで
徐々に作業方法の感じがつかめてきます。
このブログの TOPへ
********************************************************
当ブログは、インタープレイコンサルティング株式会社 の柴崎知己が
主催する「経営に貢献するITのあり方」や「ITの戦略的活用」に関して
検討するブログです。
【過去記事の一覧はこちら】
当ブログのメインテーマである「経営に貢献するITのあり方」や
「ITの戦略的活用」に関する記事の一覧は、以下を参照ください。
『ITの戦略的活用についての検討の軌跡 (掲載記事一覧) 』
日々思うこと、旅行記、グッズ紹介など、その他の記事の一覧は、
以下を参照ください。
『その他記事 掲載記事一覧 』
********************************************************
当ブログの主テーマである「経営に貢献するITのあり方」や「ITの
戦略的活用」の実現方法、IT戦略の立案方法について記載した
書籍の紹介ページはこちら 。(目次を全文掲載しています)
********************************************************
Copyright(C) 2008 Tomomi Shibasaki. All Rights Reserved.
