CIOマガジン 米国CIO実態調査
CIOマガジンの2008年5月が届きましたが、今月号は
いろいろ興味を引かれる記事が多くありました。
目次を見ると
① エンタープライズ・アーキテクチャー実践論
② 本誌米国版の調査で明らかになったCIOの実像
③ ITILの戦略的活用術
④ サイバー産業スパイから値財を守れ!
⑤ IT投資を正しく評価する
②、⑤は、私のコアコンピテンシーに関する領域の話であるため
凄く気になります。あと、①③なども興味を惹かれます。
で、今日は②の「本誌米国版の調査で明らかになったCIOの実像」を
読んで思ったことを書こうと思います。
本調査では、調査結果からCIOのタイプには、次の3つがあると
述べています。
・ 部門長タイプ
・ 現場変革リーダータイプ
・ ビジネスストラテジスト
米国の調査では、558名から解答を得て、上記それぞれのタイプの
人数比は、次のとおりだったそうです。
・ 部門長タイプ 37%
・ 現場変革リーダータイプ 51%
・ ビジネスストラテジスト 12%
各企業の事業規模/競争状況、ITの投資/利活用の状況、人員
体制等が異なるでしょうから、その中でCIOに求められる役割が
異なっていることは想像されます。その「わけ方」として上記の
3つの分け方は、なかなかよい様に思います。
なぜなら・・・
「ITがもたらす最大のインパクトは」という質問に対して、ここ2年
連続で第1位になっているのが、「業務革新の実現」です。
2006 2007 2008
業務革新の実現 3位 1位 1位
顧客満足度の向上 2位 3位 2位
ビジネス・コストの削減 1位 2位 3位
競走上の優位の確立 5位 4位 4位
また、「業務革新の担い手は」という質問の解答では、
タイプ別の調査になっていないのですが、
IT部門とビジネス部門が共同で業務革新を主導する 68%
IT部門は実務に専念する 11%
IT部門は業務革新を主導する 21%
という調査結果になっています。
さらに、「ITに求められる役割は?」という質問に対して、
「業務革新を支援する」か「業務革新を主導する」かの調査
結果では、ビジネスストラテジストに向かうほど、「業務
革新を主導する」の割合が大きくなっています。
(タイプ別に、かなり劇的に差が出ています)
現在のCIOの役割として、業務革新ということが求められ、
業務革新に対するかかわり方についても、革新手段の実現や
運用を担うという役割から、革新方法をビジネス部門と一緒に
なって検討、計画する、さらには、革新の方向性を打ち出すと
いったように、変わっていっているのではないかということが、
ぼんやりと見て取れます。
その意味で、上記の3つのパターン分けは、現在のCIOに期待
される期待や役割を踏まえて考えた場合に、よい分け方のように
思います。
上記の人数比を見た時の最初の印象は、米国のCIOは進んで
いるというものでした。現場変革リーダータイプが半数を超えて
いますが、日本で調査をすれば、部門長タイプが半数を占める
のではないでしょうか。(ビジネスストラテジストも、多くても
2%~3%程度ではないかという印象です。)
日本でも、近年セミナーなどで、CIOや情報システム部門の
役割として、イノベーションや業務革新ということが、テーマに
なっていることが多くなっています。CIO先進国である米国での
トレンドは、その後数年で日本でも注目、期待されるようになって
いることを考えると、日本企業のCIO,情報システム部門も
「業務革新」の担い手として役割を担うこと、先のタイプで言えば
現状変革型リーダーが、今以上に求められるということになる
のかもしれません。
部門長タイプから現状変革型リーダータイプに変わるために、
どのようなスキルや経験が必要かについては、調査結果が
でていないのですが、タイプ別の「CIOが注力する分野」という
調査結果が参考になるのかもしれません
部門長タイプのCIOが注力する分野
・IT危機管理
・IT人材の育成
・IT業務の改善
・システムパフォーマンスの向上
・セキュリティー管理
・予算管理
現状変革リーダータイプのCIOが注力する分野
・ビジネスプロセスの再設計
・IT目標/戦略とビジネス目標/戦略の合致
・ITとビジネスのパートナーシップの確立
・変革の主導
・新システムと新アーキテクチャーの実装
・IT戦略とエンタープライズ(企業)戦略のマッピング
大きなギャップがあります。
部門長タイプが、IT部門あるいは、ITの世界に閉じているのに
対して、現場変革リーダータイプは、大きくビジネスの領域に
足を踏み込んでいます。その前提となるのが、ビジネスそのもの
の理解であり、ビジネスが向かう方向性としての戦略の理解です。
その理解の上で、ITをビジネスに整合させるためのITのあり方、
および、現場(ビジネスプロセス)を含めた改革の推進が必要に
なってきています。
ビジネス戦略を理解し、その実現に貢献するITのあり方を
打ち出し、実現する、それが現状変革リーダータイプのCIO,
言い換えれば、今後求められるCIOのスキルとして必要となる
のだと思われます。
最後に、
拙書「経営戦略の実効性を高める~情報システム計画の
立て方・活かし方」は、まさに『ビジネス戦略を理解し、その実現に
貢献するITのあり方を打ち出すか』の方法を記載した書籍です。
現状変革リーダーを目指すCIOや情報システム部門の方には
参考にしていただけるのではないかと思います。
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