総務省 : 事業計画作成とベンチャー経営の手引き
総務省がベンチャー企業の創業・育成の支援を目的に、
創業・初期の事業運営についての詳細なマニュアルを作成し、
公表しています。
総務省報道資料
その内容ですが、お役所仕事ではなく、実に具体的で詳細な内容に
なっており、ちょっとびっくりしてしまいます。
事業計画立案に当たっての要点のまとめから、実際に作成する
事業計画書のサンプルフォーム、さらに会社設立の手続き、
会社の方針決定のあり方や事業計画の推進方法、創業者・
社長として事業を成功させるための留意事項など、こと細かく
記述がなされています。
内容的にも非常にしっかりしており、これから起業しようと
考えている方、アーリーステージにある創業者の方だけでなく、
確立した企業の役員、管理職の方についても、新規事業の
企画や既存事業の強化策の立案などを行う際のヒントとして
一読に値します。
私は自身の企業の創業者であり、経営者でもありますし、
コンサルタントとしてベンチャー企業の支援として、事業計画の
立案や資金調達を目的とした事業計画書の作成を行って
います。その立場からみて、当資料の内容は、非常によく
検討して作成されていると思います。この資料を見ながら
創業者・経営陣が自らの手で事業計画を立案し、ドキュメントに
落とし込めるのであれば、それがベストだと思います。
この資料の中で記載があまりなされていない事項で、私が
コンサルティングとして行っているものとして、事業計画の
シミュレーションがあります。
事業計画を立案する際には、すべてがはっきりと確定して
いるわけではなく、市場環境、顧客の購買行動、自社の
プロセス・コスト構造、他社とのアライアンスの成否など、
多くの仮説の中で自社の方針をプランニングする必要が
あります。その際に、各仮説に対してどのような重み、
成功確率等を想定するのかによって、事業の姿は大きく
変わります。
「このような場合は、PLはこうなり、キャッシュフローはこうなる、
よって、これだけの資金調達がこのタイミングで必要」とか、
逆に、「資金需要をこれだけに抑える場合、事業規模(例えば
出店数や商品数、販売地域等)をこれだけの規模に押さえる」
など、各種条件と事業計画数値の関係をパターン別に具体的に
イメージできるように見える化し、その実現の妥当性を十分に
議論した上で、事業計画を確定させる必要があります。
この具体化のために、シミュレーションが非常に重要な役割を
果たします。
例えば、ある輸入食品の店舗販売の場合に私が支援して
行った事業計画のシミュレーションでは、
商品別の販売単価、原価、販売数量、季節別の販売数量変動
原材料の輸入タイミングとコスト
原材料の在庫量と在庫費用
新規店舗の出店数、出店タイミング、出店投資額、費用
店舗運営コスト (人員数、経費)
販売促進、マーケティングの実施内容とそのコスト
本部体制の拡充とオペレーション費用
FC展開の諸条件(原料卸価格、ロイヤリティー等)
FC展開による店舗増加見込み
各種支払い、入金の諸条件(サイト等)
等、上記の条件を変数として、結果PL、BS、CFを作成する
シミュレーションをExcelで作成しています。
上記のような諸条件を様々に変えながら、実現可能で、
投資家からみても魅力ある成長性や収益性を維持できる
落とし所を、具体的な数字を見ながら検討、確定していきます。
前述の総務省の資料の中で、事業計画立案に当たっての
検討ポイントが明示されているため、後はそれを如何にして
確定させるかということが大切になると思います。
多くの仮説が入り混じり、そのさじ加減で事業の姿が
大きく変わるような場合、イメージで議論するのではなく
その仮説設定の結果の事業の姿を極力具体化(目に
見えるようにする)して議論することが大切です。
また、数名の経営チームで議論し事業計画を立案する際には、
検討している内容を全員が誤解なく認識を共有化することが
大切です。そのためには、全員がそれぞれ頭の中で想像し
ながら検討を進めるのではなく、机の上に事業の姿を描き出し、
全員が同じものを見ながら議論を進めることが大切です。
これらのことを実現するために、シミュレーションは非常に強力な
ツールです。
前述の総務省の資料とシミュレーションをあわせて活用される
ことをお勧めします。
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