ITマネジメント考察11 -ITマネジメントとIT戦略-
ITマネジメントを機能させるために、PDCAが重要であり、そのPの
インプットして事業戦略が重要であることを記載しました。昨日の
記事で、多少触れているのですが、ITマネジメントのPDCAをまわす
ためには、事業戦略そのものがPDCAのPとなるわけではなく、事業
戦略の内訳としての経営課題を、その実現のための施策に詳細化し、
その施策についてPDCAを運営することが必要です。
この落とし込みについては、後日記載しようと思いますが、その前に
今日は、IT戦略について考えて見たいと思います。
IT戦略という言葉は、よく使われる言葉ですが、IT戦略とは何か、
具体的にどのようなアウトプットが、IT戦略の説明資料に該当するのか、
と考えると、難しく感じます。
そもそもIT戦略とは何でしょうか。戦略とは「勝ち方」であり、企業と
して市場で勝負している事業で「どう勝つか」ということを表す『事業
戦略』というのはイメージしやすいです。一方ITというのは、その
事業を推進する上での手段であり、「勝ち方」が問われる勝負する
主体ではないのではないかと思ったりします。
つまり、あくまで戦略というのは、事業の観点で考えるべきものであり、
その結果の手段である施策そのものに戦略があるわけでないと
思えます。そのような目で見ているからかも知れませんが、IT戦略と
いわれるものを見た場合に、その中身は、事業で勝つための取り
組みとして行うIT課題を列挙したものにすぎないという印象を持つ
ことが多いです。
一方、事業戦略に直接ひもづくことなく、長期的視点に立ってITイン
フラのあり方を描く場合など、IT戦略といっていいのではないかと
いう意見もあるかもしれません。このようなITインフラのあり方を
考えるときのインプットとなるのは、複数事業を統括し、かつ事業
戦略の期間よりもより長期を想定した全社戦略がベースになって
いることが多いように思います。つまり、今後の将来の事業ポート
フォリオ(事業分野、事業規模)、他社アライアンスや事業統合などの
可能性について考慮し、その実現への対応策として、今後のIT技術
動向を踏まえ、次世代のITインフラのあり方を検討するという観点が
重要になります。その意味からいうと、戦略は全社戦略にあり、
ITはやはり、その実現の手段という位置づけになるように思います。
また、インターネット上でビジネスを行っているような事業の場合など、
事業戦略と手段としてのITの境界は非常に低く、戦略と手段という
区別そのものが困難な場合があるように思います。しかし、そのような
場合であっても、事業の競争優位や勝つための仕組みが、すべて
ITで可能ではなく、人材の育成等を含め、他の要素も必要なはずです。
その意味からいうと、戦略=IT戦略ということではなく、事業戦略と
その手段としてのITという関係性で捉えたほうが、IT以外の領域の
観点も戦略的な検討が可能になり、適切ではないかと思われます。
このようなことから、IT戦略というのは実際には存在せず、あるのは
事業戦略とその実現施策としてのIT施策であると考えています。この
ため、ITマネジメントのPDCAのPのインプットしてIT戦略を位置づけて
いるのではなく、事業戦略を位置づけています。この事業戦略をイン
プットにしてITマネジメントを行うことで、「ITの戦略的活用」や「経営に
貢献するIT」「事業の競争力の強化のためのIT」といった手段である
ITに戦略性が生まれると考えています。
「IT戦略とは」について、皆さんどのような意見をお持ちでしょうか。
ご意見をいただければ、ありがたいです。
つづく
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