ITマネジメント考察10 -ITマネジメントのための事業戦略 3-
昨日までの記載の中で、ITマネジメントを機能させるためには、
PDCAが重要であり、そのPのインプットして、事業戦略が重要で
あることを述べました。また、インプットにする事業戦略は、ただ
イメージを明らかにすればよいということではなく、次の5つを明確に
することが、ITマネジメントでPDCAを行うために必要であることを
述べました。
① 戦略を形作る個々の経営課題を明らかにする。
② 個々の経営課題の関連性を明らかにする。
③ 各経営課題を実現した際に、その成果を図る基準を
明確に定義する。
④ 各経営課題が実現すべき達成基準を定義する。
⑤ 各経営課題の実現期日を定義する。
ここまでが、先日までのおさらいです。
通常PDCAをまわすためには、上記③~④に加えて、その課題の
実現責任を負うのは「誰か」という定義が重要です。事業戦略に
おける経営課題について、この「誰」は、ほとんどの場合、その事業の
責任者が該当します。
BSCで事業戦略を整理し、各経営課題を見たところ、「製造リード
タイムの短縮」や「サプライヤーとの関係強化」「顧客への商品
情報の提供強化」「新商品の開発強化」「財務リスクの低減」と
いったような文言が並びます。事業部制組織をとっており、事業部
内に開発、調達、製造、流通、営業、間接のような機能別組織を
持っている場合は、上記の課題を、「製造リードタイムの短縮」は
製造、「サプライヤーとの関係強化」は調達という風に、事業部の
下部組織の長へ、責任を割り振れるように思えます。
しかし、これは、言葉のイメージでそう見えるだけです。各経営課題を
実現するために何を行わなければならないかによって、誰が責任を
負うべきかを見極めることが重要です。
例えば、「製造リードタイムの短縮」の場合、絶対的な製造リード
タイムの短縮として、製造方法や工程の見直しなどの余地があるかも
しれません。実施すべきことが、このようなことであれば、下部組織である
製造部門長の課題としても問題がないかもしれません。
しかし、絶対的な製造時間が長い・短いは別にして、お客様が必要と
するタイミングで商品を納品できればよいということだとすると、お客様の
需要をいかに精度高く予測し、その需要に応じた生産を行うかが課題
なのかもしれません。この場合、お客様の需要をいかに制度高く
予測するかというのは、製造部門だけで取り組むべき課題ではなく、
営業部門と共同で取り組むべき課題かもしれません。このように組織を
またがって取り組むべき課題の場合は、その組織のより上位に実現の
責任を持たせないと、組織間の利害調整が適切にできず、課題の
実現が困難になる可能性があります。
このようなことから、事業戦略として整理される経営課題については、
その課題の大きさから考えると、この「誰が」については、一旦事業の
責任者としておくことが適切である場合が多いように思います。
つづく
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