ITマネジメント考察9 -ITマネジメントのための事業戦略 2- | インタープレイ コンサルティング 株式会社  Blog

ITマネジメント考察9 -ITマネジメントのための事業戦略 2-


昨日から、ITマネジメントを有効に機能させるためには、戦略が

どうあるべきかについて記載しています。


マネジメントを有効に機能させるためには、マネジメントの対象と

なる社員一人ひとりが、組織の目的、ゴール=戦略を正しく理解

していることが重要になります。しかし、戦略を誰もが誤解なく、

わかりやすく理解できるように表現するというのは、簡単なことでは

ありません。そのような戦略をわかりやすく表現する手段として、

昨日はBSC(バランス・スコアカード)を紹介しました。



本日は、先日記載したITマネジメントを有効に機能させるための

戦略定義のポイント①~⑤の中での③~⑤に該当する事項に

ついて記載しいたいと思います。



ちなみに、①~⑤とは、以下のとおりです。


① 戦略を形作る個々の経営課題を明らかにする。

② 個々の経営課題の関連性を明らかにする。


③ 各経営課題を実現した際に、その成果を図る基準を明確に

   定義する。


④ 各経営課題が実現すべき達成基準を定義する。


⑤ 各経営課題の実現期日を定義する。




マネジメントとは、組織の目標、ゴールを実現するための手段です。

そしてPDCAという活動を通じて、マネジメントを実践していきます。

そのPDCAの肝は、定期的に計画が実現できているかどうかを確認し、

できていない場合は対応策を講じるということを繰り返すことにあり

ます。この確認を定期的に行える状態を作ることが、マネジメントに

おいて非常に重要です。


戦略は、マネジメントの観点から見ると、組織への目標、ゴール

設定であると考えるとPDCAのP(Plan)の部分に該当します。この

P(Plan)が実現されているかどうかをC(Check)で図るためには、

P(Plan)が測定可能なPでなければなりません。



③ 成果を図る基準を明確に定義する。


「顧客の満足度を高める」という戦略設定は、漠然としており、何を

もって顧客満足度を図るのかということが不明瞭であることから

見ても、マネジメントに活用するためには不適切です。何によって

顧客満足度が高まるのか、顧客が自社の商品、サービスに対して

期待している事項は何かということを、もう一段掘り下げる必要が

あります。例えば、商品品質には市場内で大きな差異がなく、納品

リードタイムの短さと商品価格のバランスが、市場における購入先

選択の大きなポイントになっている場合、顧客満足度をあげるため

にはリードタイムの短縮と商品価格の低減が大きな課題になるかも

しれません。あるいは、競合他社もリードタイムの短縮と商品価格の

低減に力を入れており、戦略に考えるとその先には、アフターサー

ビス体制の充実度合いが、商品購買のポイントになるかも知れません。

この場合は、「アフターサービス体制の充実度合い」とは、具体的に

どのようなことかを顧客の視点に立って考え、コールセンターの電話

が繋がるまでの時間の短縮や、問題解決までの時間短縮などが

課題となるかもしれません。


このように、戦略の実現可否を、後のマネジメントにおけるPDCAで

チェック可能なように、実現されているかどうかを図る基準を明確に

定義することが必要です。




④ 各経営課題が実現すべき達成基準を定義する。


③で定義した成果を図る基準にてPDCAのCを行う場合、どこまで

実現されていれば、その戦略が達成できたかどうかの達成基準を

定義する必要があります。リードタイムの短縮が課題であれば、

1日とか、5時間とか、コールセンターへ電話が繋がる時間であれば

60秒以内とか、30秒以内とか、具体的な数値で定義することが

大切です。


経営トップは、市場での優位性を確立するために「リードタイムを

1日にする」ということを考えているのに、その1日ということを明確に

伝えないと、現場は現状から30%改善した3日にリードタイムを短縮

すればよいと考えるかもしれません。戦略を実現したいと考えるので

あれば、そのためのマネジメントを機能させたいと考えるのであれば

その目標の達成水準を戦略として明確に定義することが大切です。




⑤ 各経営課題の実現期日を定義する。


前述した「成果を図る基準」と「その達成水準」と同じことが、期日の

定義についてもいえます。通常戦略の立案においては、今後3年間

とか、5年とか一定の期間を想定して立案を行います。


ただし、戦略を構成する経営課題すべてが、戦略定義期間の

3年とか5年後に実現できればよいということではない場合がほとんど

です。経営課題Aを実現するためには、その前提となる経営課題Bが、

事前に実現されていなければならないといった経営課題間に実現の

順序がある場合がほとんどです。


このように経営課題毎に、実現期日が異なる場合は、その期日を

明示することが大切です。




これまで見てきたとおり、戦略というのは、企業として進むべき

方向性のイメージを漠然と示すことではありません。戦略は、

実現するために立案するということを前提にするならば、後の

マネジメントで活用できるように、その内容が組織の人員に

誤解なく、正確に理解されるように具体的なものであるべきです。



さて、

キャプランとノートンのBSCの書籍では、前述したポイント①~⑤に

ついて、①~②を戦略マップで表現し、③~④をスコアカードで

表現するようになっています。(⑤についての表現はありません)

 一方、拙書の「経営戦略の実効性を高める 情報システム計画の

立て方・活かし方」の中では、①~⑤をひとつのシートで記載しています。


どちらが正しいというのはないのですが、キャプランとノートンの

表記の方が一般的でしょう。ただし、前述したように、後のマネジ

メントのことを考えて前述した①~⑤を理解してもらうためには、

拙書での表記方法もいいのではないかと考えています。



つづく





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