ITマネジメント考察8 -ITマネジメントのための事業戦略 1- | インタープレイ コンサルティング 株式会社  Blog

ITマネジメント考察8 -ITマネジメントのための事業戦略 1-


「戦略実現に貢献するIT」や「事業の競争力強化を実現するIT」の

実現のために、どのようなにITマネジメントを行うのかというテーマで、

記載しています。今日は、ITマネジメントを機能させるための戦略の

あり方について考えてみたいと思います。



ITマネジメントと戦略の関係は、戦略がゴールを示し、その実現を

図るための活動がITマネジメントということになります。今回検討

するのは、戦略の立案方法ではありません。「戦略実現に貢献する

IT」や「事業の競争力強化を実現するIT」を実現するためにどのような

ITマネジメントが必要であり、そのマネジメントの目的・ゴールを指し

示す「戦略」とは、どのような要件を満たす必要があるのかを

明らかにすることです。



拙書「~経営戦略の実効性を高める~情報システム計画の立て方・

活かし方」の中では、BSC(バランス・スコアカード)を使用して、

戦略の整理の仕方を詳細に説明しています。その中で、戦略として

何を明らかにすべきかについては、以下のことをポイントとして

あげています。


 ① 戦略を形作る個々の経営課題を明らかにする。


 ② 個々の経営課題の関連性を明らかにする。


 ③ 各経営課題を実現した際に、その成果を図る基準を

    明確に定義する。


 ④ 各経営課題が実現すべき達成基準を定義する。


 ⑤ 各経営課題の実現期日を定義する。



戦略は、マネジメントの観点から見ると、組織に対する目的や目標、

ゴール設定の役割を果たします。このため、対象とする組織の人員に

対して、「何を実現するための戦略なのか」、「その実現すべきことを、

どのレベルで実現するのか(例えば、現状より10%アップなのか、

50%アップなのか)」、「それをいつまでに実現するのか」の3点を

明確に伝えるものでなくてはなりません。戦略というと難しく、高尚な

感じを受けますが、突き詰めれば、この「何を」「どれだけ」「いつ

までに」の3点が明らかになっていれば良いといえます。


後は、それを如何に、わかりやすく、表現できるか、伝えられるかが

課題となります。




BSCは、先にあげた戦略の3点をわかりやすく整理するのに非常に

有効です。BSCを活用することで、戦略を、実現する効果と実現策に

がわかりやすく整理されます。その整理のためのドキュメントが定義

されており、


 「何を」明らかにする     ・・・ 戦略マップ

 「どれだけ」を明らかにする ・・・ スコアカード


の、2種類があります。



戦略マップとは、BSCの4つの視点に沿って、経営課題を整理した

ものです。BSCの4つの視点とは・・・


 財務の視点

 顧客の視点

 内部プロセスの視点

 成長と学習の視点


財務の視点とは、戦略遂行の結果実現する財務上の成果です。

売上高の増加、コストの減少、利益の増加、資本(資産)効率の

向上などが該当します。戦略の遂行の結果、これら財務上の

指標をどのような水準にするのかを定義します。


顧客の視点では、戦略を通じて顧客にどのような価値を提供

するのか、あるいは強化するのかを定義します。これは、

事業とは、「顧客に対して商品、サービスの提供を通じて対価を

得ること」という最も基本に立ち返り、事業の成功・成長のためには、

戦略的に「顧客への提供価値」を作り出さなければならないという

考え方に基づいています。この「顧客への提供価値」をつくり出す

ことにより、財務の視点であげた売上や利益などが実現されると

いう考え方になります。


そして、この「顧客への提供価値」をつくりだすのが、事業活動で

あり、その実現のための課題を「内部プロセスの視点」として整理

します。どのような仕組み、どのような業務プロセス、機能があれば

「顧客への提供価値」を生み出せるのかを整理します。


また、そのような仕組みや業務プロセス、機能を動かし、期待する

成果である「顧客への提供価値」を実現するためには、例えば、

必要となる技能を持った人材が必要です。いくら優れた業務プロ

セスが整備されていても、知識もノウハウも持たない人員ばかりでは、

その業務プロセスは機能しません。このように、業務プロセスや機能を

有効に機能させるためには、その前提となる組織としての基礎体力の

ようなものが必要です。基礎体力とは、例えば、すぐれた人材、情報

システムの整備状況、組織としての活動の仕組み(リーダーシップや

チームワーク)などが該当します。戦略の実現のためには、このような

基礎体力として何が必要で、何を強化すべきかを「成長と学習の視点」に

記載します。



このようにBSCでは4つの視点に分けて、経営課題を整理していますが

その各視点の課題は、それぞれに関連を持っています。


例えば、

財務の視点で定義した売上高の向上の課題(A)の実現のためには、

顧客の視点で定義した顧客価値の向上のための課題(B)が必要であり、

その実現のためには、内部プロセスの視点で定義したプロセス改善の

課題(C)が必要となる。またその課題(C)を実現するためには、情報

ネットワークインフラの整備が必須であり、それを「成長と学習の視点」に

課題(D)として記載されている。


戦略マップでは、このような各経営課題間の関連を矢印で結ぶことで、

「何を実現するために何が必要か」を、わかりやすく表現しています。

このような表現方法を通じて、マネジメントに活用することを想定した

場合の戦略として明確にすべきことの①②が実現されています。




つづく。




このブログの TOPへ

 

********************************************************

当ブログは、インタープレイコンサルティング株式会社柴崎知己が

主催する「経営に貢献するITのあり方」や「ITの戦略的活用」に関して

検討するブログです。


【過去記事の一覧はこちら】 

当ブログのメインテーマである「経営に貢献するITのあり方」や

「ITの戦略的活用」に関する記事の一覧は、以下を参照ください。

ITの戦略的活用についての検討の軌跡 (掲載記事一覧)

 

日々思うこと、旅行記、グッズ紹介など、その他の記事の一覧は、

以下を参照ください。

その他記事 掲載記事一覧

  

********************************************************

 

当ブログの主テーマである「経営に貢献するITのあり方」や「ITの

戦略的活用」の実現方法、IT戦略の立案方法について記載した

書籍の紹介ページはこちら 。(目次を全文掲載しています)

 

  

********************************************************

Copyright(C) 2008 Tomomi Shibasaki. All Rights Reserved.