日本企業と米国企業のIT利活用の違い
先日から経済産業省の吉崎審議官のプレゼンの内容から
興味を引かれた点について取り上げさせていただいていますが、
本日も少し。
プレゼンの中で、IT利活用とTFP成長率には正の相関がある
ことを指摘されています。そして、その利活用の形態により、
得られるTFP成長率は差異があり、次の4つ段階を通じて、
TFP成長率が拡大するとしています。
第1段階 情報システムの導入
第2段階 部門内最適 ・・・ ITを部内で活用
第3段階 企業内最適 ・・・ 部門の壁を越えて企業内で活用
第4段階 企業間最適 ・・・ 取引先、顧客等関係者を含めて活用
日本企業は、
第1段階 : 15.1%
第2段階 : 58.8%
第3段階 : 21.6%
第4段階 : 4.5%
米国企業は
第1段階 : 0.0%
第2段階 : 46.2%
第3段階 : 44.9%
第4段階 : 9.0%
日本企業の多くが第2段階のIT利活用に留まっており、そのことが
米国などと比較して日本のTFPの停滞の原因の一つではないかと
指摘されています。試算では、第2段階から第3段階にITの活用
状況を高度化することでTFPで3%の上昇が見込まれる。また、
第2段階から第4段階への高度化にてTFPを5%上昇させると
指摘されています。
日本企業が第2段階のIT利活用に留まっている原因として、部門の
壁、企業の壁が高いことを指摘されています。従来日本企業では、
ビジネス上使用するシステムを自社で自前に開発してきました。
多くの場合、事業毎、機能別組織毎に専用システムが構築され、
システム間の連携がない、その間で同一品目であってもコードが
異なる等の例は、多くの企業で見られる現象です。
2000年問題を契機に、ERPなどのパッケージ利用がメジャーに
なり、大手企業を中心に企業内での部門を越えたITの統合が一部
進んだ感があります。しかし、中小企業を中心に多くの企業では、
従来どおりの状況におかれていることをデータは示しているのかも
しれません。
日本では、トヨタのカンバンのように組織間、企業間にまたがる最適
化された仕組みで競争力を生み出すといったことがありました。しかし、
日本ではそれが個別企業の事例に留まっていたのに対して、米国で
SCMとして整理され、システム化されることで、多くの企業で活用される
ようになりました。この個別事象を一般化する力、標準化する力の
差異が日米間で大きな力の差を生んでいるのかもしれません。
ミクロでも見れば、必ずしも日本企業が米国企業と比較して遅れを
取っていると思いませんが、マクロ的な視点でみれば、大きな差が
ついてきているのかもしれません。ビジネスのグローバリゼーションが
どんどん進む現状にあって、多少なりとも危機感を感じるデータです。
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