Biz Innovation 2007 経産省の吉崎審議官の話
10月末にBiz Innovation 2007というセミナーがあり、経済産業省の
吉崎正弘 大臣官房審議官(IT戦略担当)の講演の記事を読みま
した。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20071026/285605/
その講演の中で、統計データを元に、次のような問題を指摘
されています。
・日本企業は、米国企業に比べて,企業の生産性向上にITが
寄与していない。(約10倍の差がある)
・企業資本に占めるIT資本(投資)の割合も,日本企業は
米国より劣っている。(日本は米国の6割に過ぎない)
このような大きな差が生まれている大きな原因として、
「統計データを見る限り,生産性向上の“特効薬”であるIT活用の
効果が,まだまだ多くの企業に認知されていない」ことを指摘され
ています。つまり、経営者がIT活用の効果を十分に認識してい
ないと。
この指摘は、非常に的を得た指摘だと思います。
「経営に貢献するIT」を実現するに当たって、最大のボトル
ネックは、「簡単にITの経営効果が見えないこと」です。
先週の記事
(COBIT等各種取り組みと「ITの戦略的活用」の関係についてのまとめ その5 )
で記載したように、「経営に貢献するIT」を実現するためには、
・ 事業戦略を立案する
・ 戦略を実現するアーキテクチャをデザインする
・ アーキテクチャを実現する取り組み(IT構築を含む)を推進する
・ 取り組みをマネジメントし成果を回収する
といった仕組みを社内に作りこむ必要があります。
経済産業省では、これまでに
・情報基盤強化税制(前・IT投資減税)」を提案・推進
・IT投資の質を高めるためにITの専門家を派遣する
上記のような取り組みを推進し、さらに今後
(1)経営者向けの研修会を年90回から200回に増やす
(2)eラーニング教材を提供する
(3)CIO(最高情報責任者)バンクを設立して中小企業に派遣する
等の施策を強化していくことを検討しているとのことでした。
私は、IT投資効果を実感させるためには、先週記載したように
事業戦略や経営管理の側面にまで踏み込んだ取組が必要だと
考えています。その仕組みを作り、戦略立案から施策への
落とし込み、経営管理の仕組みへの展開、継続的なモニタリング
と改善活動の推進などを、経営者を補佐しつつ、社内の人員を
ファシリテートして運営する人材が必要です。
また、このような仕組みを導入したからといってすぐさま効果が
上がるわけではありません。効果が上がるようになるために、
仕組みが組織(経営から一般社員まで)の力として根付いて
初めて、効果が目に見えるようになります。このため、ある程度
中期的なスパンで、対象企業を支援する体制をとることが
必要です。
(3)のようなCIOを企業に派遣し、IT投資効果を経営者が実感
できるようにするということであれば、そのCIOは、ITだけに
限定せず、事業戦略立案や経営管理の仕組み構築まで含め
企業を支援できる人材でなければならないと思います。
ITをITの範囲で考えていては、「経営に貢献するIT」の実現や、
経営者がIT投資効果を実感するということは難しいのでは
ないかと思います。
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