COBIT等各種取り組みと「ITの戦略的活用」の関係についてのまとめ その3 | インタープレイ コンサルティング 株式会社  Blog

COBIT等各種取り組みと「ITの戦略的活用」の関係についてのまとめ その3

前回からのつづきです。

 

会社の仕組みとITの関係を考えた場合に、IT(部門)の運営のさ

れ方は、事業戦略に直接的にひもづいておらず、それがITが

経営に貢献できない理由であるとの問題提起をしました。そして

COBIT等の取り組みは、その問題を改善することに主眼が

起これており、戦略基点でのITのあり方について、ガバナンスや

人材などの側面から考え方のフレームワークを示しているのだ

との見方を示しました。


昨日までの記事は、

COBIT等各種取り組みと「ITの戦略的活用」の関係についてのまとめ その2

COBIT等各種取り組みと「ITの戦略的活用」の関係についてのまとめ その1  

 

  

ここからの続きです。

 

各種取り組みでは、COBIT等で整理されたフレームワークに

基づいて社内にITを戦略的に活用するための仕組みを作ることを、

求めています。しかし、仕組みというのは作れば自動的に効果が

あがるものではありません。効果が出るようになるためには、その

仕組みの意図や目的が社員一人ひとりに理解され、日々の運営

の中に馴染まなければなりません。まさに仕組みが、インタンジ

ブルズとして組織力に転化しなければ効果は得られません。そ

のためには、仕組みを改良しつつ効果が上がるまで執念を持って

運営し続けることも大切です。

 

さらに、継続して運営し続けるためには、経営者が「是非、経営に
貢献するITを実現したい」という意思をもっている必要があります。
その意思がない場合に、どのような取り組みを進めても、継続

できませんし、良い結果も期待できません。経営者が、その必要

性を認識し、実現したいという強い意思を持つこと、および、実現の

ために何が必要か(何を整備すべきか)ということを理解することが

大切です。

 

理解を得るためには、「こうすればできる」ということを、経営者が
イメージできることが大切です。しかし、COBITをはじめ、EA等に
ついても「①戦略」から「③のITのあり方」に落とし込むことの重
要性を指摘していますが、どのように検討、作業をすれば、実現
できるのかについて、概念的な説明しかなされていません。できる
かどうかわからないことに、全社あげて取り組むという意思決定は
経営者としてやりづらいわけですから、「具体的にこうすればでき
ます」ということを示すことが、重要な課題であると思います。


各種資料等では、「①戦略」から「③のITのあり方」の導き出し方に

ついて、次のようなことがポイントであると示されています。


  a. 戦略の整理はBSCを使用する。

  b. BSCで戦略を実現するための経営課題を明らかにする。

  c. BSCで整理した経営課題とITの(投資)目的の連携を図る。

  d. IT投資の効果は、経営課題の達成目標(KPI)で表す。


上記のポイントについて異論はありませんが、問題は、a~dの各

ポイントの実現方法について非常に概念的にしか記載されていない

ことです。


 ・BSCは業績管理のための仕組みとして作り出されたが、それを

  IT戦略の立案やITの投資効果説明のインプットして使用する

  場合に、どのような点に注意して作成する必要があるのか。


 ・BSCはどの単位で記載するのか。どの程度の詳細さで作成す

  るのか。

  

 ・経営課題からITの投資目的を、具体的にどのようにして導き出す

  のか。また、それをどのように表現するのか?


 ・経営課題実現のためには、IT以外の取り組みが重要である。

  またその両者が整合していないと効果は期待できない。

  IT以外の取り組みとITとの関係を、だれがどのように整理する

  のか。


                                   等々


具体的にどのような検討を行い、どのように作業を進めれ

ば、上記が実現できるのかが分からないことです。実現方法が

提示されなければ、絵に描いたもちに過ぎません。

 

 

これまで見てきたように、「経営に貢献するITの重要性」に

ついては広く必要性が指摘され、その実現に必要なポイントを

体系化したフレームワークの提示は進んできています。10年

前に比較して、これは非常に大きな進歩であると感じます。


その一方で、「それがどのようにすれば実現できるのか」に

ついては、まだ具体的に提示されていません。提示されている

考え方の多くが概念的なものにとどまっています。もっともな

概念を並べても、実現できず、効果を得られなければ絵に

描いた餅にすぎません。今後は、概念を組織の実行力、つまり

各種フレームワークや概念をインタンジブルズに落とし込んで

いく方策の拡充が必要です。


「ITの戦略的活用」というテーマは、考え方の整理から実現に

向けて次のステップに進む必要があると感じます。


 

つづく


 


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