COBIT等各種取り組みと「ITの戦略的活用」の関係についてのまとめ その1
10月に入ってからしばらくの間、ここ数年のITに関する各種
取り組みの再確認と「ITの戦略的活用」という側面からの関
係性について整理を試みてきました。一旦、中間のまとめを
したいと思います。多少長い文章になりそうですので、何回か
に別けて記載したいと思います。
ここ数年ITの世界では、今回取り上げたようなCOBIT、Val IT、
EA、UISS/ITSSなど様々な取組が進んでいます。SOX法の
絡みでITガバナンスが注目されたり、情報システム試験の改
革でスキル標準が注目されたりと、取り上げられ方が異なる
ためバラバラの動きのように見えますが、実はそれぞれの
検討目的は共通しています。各取り組みの説明資料の主旨、
目的を読むと、必ず「経営に貢献するITを実現する」との意
味の文言が見て取れます。では、それぞれが「経営に貢献
するITを実現する」にどのように関連しているのでしょうか。
COBITのガバナンスの話にせよ、UISSのスキル標準に
せよ会社の仕組みに関わる話なので、ちょっと話がずれま
すが、会社の仕組みについて一旦整理をしたいと思います。
その会社の仕組みとITの関係を明らかにした上で、それを
改善するための取り組みとしてのCOBIT等の各種取り組
みがどのように関連しているのかに説明を進めていきたいと
思います。
会社の仕組みを社内に限定して考えると次のような要素か
らなっていると思います。
①戦略
②事業計画
③業務プロセス(ITや製造設備等各種経営資源を含む)
④組織
⑤人材(スキル・ノウハウ)
⑥経営管理の仕組み
事業の主体は③④⑤ですが、それに目標・方向付けを与え
ているのが①②、そして目標どおりの成果を③④⑤が上げて
いるかを確認し、正しい方向に導くのための仕組みが⑥です。
この仕組みは、事業という単位で捉えても上記の通りですし、
特定の部署の単位で捉えても、基本的には同じような仕組み
で運営がなされています。
当然IT部門も例外ではなく、上記の仕組みで運営がなされて
いるはずですが、ITに関する①がない状態で②~⑥の仕組み
が作られていた場合が多かったように感じます。例えば、各事
業部門から集められたIT化要望を取りまとめたIT予算②を
ベースに、その要望を実現するための開発体制と既存システ
ムの運用体制(③~⑤)が作られていました。そして、そのITを
管理する仕組み⑥は、IT部門の予算管理が中心となっていま
した。
IT戦略が立てられている場合でも、多くの場合、ダウンサイジン
グや基幹システムのパッケージへの移行、メールやグループ
ウエア等のコミュニケーションシステムの導入など、IT側面から
インフラ整備計画の要素が強く、事業戦略と一体化したIT戦略と
いえるものではない場合が多かったように思います。
会社の仕組みである①~⑥は、如何にして事業を成功させる
かという①の戦略に直接的にひもづいて成り立っています。
プロフィットセンターとして位置づけられているかどうかは別に
営業部門でも製造部門でも、事業部門は戦略と直接的に
導き出される形で仕組みが構築されています。しかし、IT部門に
関して言えば、「戦略」から直接的にではなく、「事業部門の要
望に応えるために」というところから②~⑥の仕組みが形作ら
れているように思います。
会社の中で、戦略との関係性で見た場合にIT部門と同様な
位置づけにあるのは、間接部門が当てはまります。事業戦略と
の関係が希薄であり、要望されることを如何にミスなく、低コスト
で実現するかと言う観点で仕組みが作られています。
つまり、従来のIT部門は、経営者がいくら期待しようと、社内での
位置づけ、運営のされ方などは間接部門的であり、「経営に貢献
する」といっても、それは戦略への貢献ではなく、できることはコ
スト削減ぐらいの裁量しか与えられていなかったといえるのでは
ないでしょうか。
つづく
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