IT投資で伸びる会社、沈む会社
- 平野 雅章
- IT投資で伸びる会社、沈む会社
日経情報ストラテジー主催の経営情報化サミット2007の「IT投資を
経営成果に結びつけるために-大規模調査にもとづく実証」という
セッションのベースとなっている書籍です。
内容・主旨としては
IT投資対効果ということが大きな注目を集めているが、IT投資の範囲、
内容の拡大に伴い、いままで以上に効果が見えづらくなっている。
IT投資が企業活動のために行われているということを考えると、IT投資が
経営上の効果を生んでいるか、つまり企業業績に貢献しているかという
ことが重要であるが、その間に明確な関係性が見られない。
しかし、組織IQが高く、IT投資額が多い企業ほど売上高経常利益率が高い
ということがデータからは読み取れる。つまり、IT投資額の多寡がポイントで
はなく、その投資から効果を獲得するためには組織IQの高い、低いが非常に
大きな意味をもっている。
また、組織IQは固定的なものではなく、組織構成、人員配置、権限委譲、
意思決定プロセスの見直し、人員育成などを通じて変えることができるとの
こと。つまり、IT投資対効果を高めるためには、組織IQを高めるような取り
組みを強化することが大切である。
本書は、上記の話を実証データを用いて説明を行っています。また、上げら
れている例などが分かりやすく、理解しやすく書かれています。
しかし、読み終わって疑問が残ったのは組織IQとIT投資の関連です。説明を
読むと、組織IQというのは「組織をうまく運営し、パフォーマンスを上げるための
ポイント」のように見えます。つまり、特にIT投資ということではなく、製造設備
投資でも、新規事業開投資でも、はたまた通常の業務運営でも、同様にポイ
ントとなることのように思えます。
設備投資がうまくいっているが、IT投資はダメという企業も多々あるわけです
から、すべてが組織IQで片付く話ではないと思います。組織IQということが
共通のベースとしてあり、それプラス、製造設備投資対効果を高めるための
ポイント、IT投資対効果を高めるためのポイントなどが組織に備わっているか
どうかが、もう一つの観点としてあるように感じます。
IT投資の観点で言えば、それが拙書で書いているような経営戦略から必要な
情報システム像を描きだす「考え方」や「やり方・進め方」であったり、それらの
役割を担うために必要となるスキルや業務知識であったりと考えています。
まあ、それはさておき、
本書は、具体的な取り組み方法などを提示したものではありませんが、
IT投資対効果を高めるために、「組織」という観点での検討の重要性を
分かりやすく示した書籍だと思います。
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