セミナー「IT投資を経営成果に結びつけるために」
先週のJUASのセミナーに引き続き、本日情報化サミット
2007を覗いてきました。聴講したのは、東京工業大学・大学
院の飯島淳一教授(経営情報学会会長)のセッションです。
テーマは、「IT投資を経営成果に結びつけるために-大規
模調査に基づく実証」です。
内容は、経済産業省などの調査データを元に、個別企業の
業績(財務データ)とIT投資額の相関関係分析、および
独自調査した組織IQのアンケート結果との相関関係分析の
結果についてでした。
分析結果としては、マクロ的にはIT投資と業績には、正の
相関関係があると言われているが、ミクロ的(個別企業)の
視点でみると明確な相関関係が見られない。
一方、組織IQの高低と業績の間には相関関係が見られ、
それにさらにIT投資、CIOの任命状況を重ね合わせると、
組織IQが高く、CIOの任命がなされている企業ほど業績がよい
組織IQが高い企業ほどIT投資を利益に結びつけている
との分析結果がでているとのことでした。
調査結果からは、IT投資そのものが経営的な効果を産むのでは
なく、投資を活かし経営的な効果に転化させる組織力が重要で
あるということが読み取れます。
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以下、私の所感
投資効果を生み出すための組織力の重要性は、IT投資に
かかわらず製造設備の投資でも、新規ビジネスへの投資でも
同じことだと思います。しかし、他の投資と比較してIT投資が
問題視されているのは、何が異なるのでしょうか。
現在、ITの投資効果を上げるための様々な課題が上げられ、
その一つに利用部門のオーナーシップを高めることの重要性が
指摘されています。このオーナーシップについて、IT投資と
他の投資の間に、歴史的に大きな違いがあるように思います。
従来、汎用機などは非常に高価で、全社で所有するIT機器を
効率的に活用するために、IT部門が統制管理を徹底していた
という歴史的背景があります。また、情報システムの開発は、
社内の情報システム部門が担当していました。どのような情報
システムを構築するかという要件定義から実際の構築、運用ま
で担当することにより、機能内容、品質、稼動率などについて
情報システム部門の能力に依存する部分が多々ありました。
このため、このシステムのオーナーは誰かという問いに対して
利用部門には、「オーナーは情報システム部門であり、我々は
使用させてもらっている。(ひどい場合は、使用させられて
いる)」という意識が根付いてしまっているように思います。
IT投資以外の投資では発揮される組織IQが、IT投資において
発揮されないのは、このオーナー意識の希薄さが根底にある
のではないでしょうか。
そのようなことをつらつら考えながら、飯島先生の話を聞いて
おりました。皆さんは、どう考えられますでしょうか?
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