日本のCIOの現状 | インタープレイ コンサルティング 株式会社  Blog

日本のCIOの現状

  

「ITを戦略的活用すべきだ」、「そのためにはCIOの働きが重要だ」
などと言っておりますが、実態としてのCIOは、どのような状況に
あるのでしょうか?

 

手元に、経済産業省の委託を受けて(社)日本情報システム・ユー
ザー協会が実施した「国内CIO実態調査」の報告書(平成18年
3月)があり、そこから日本のCIOの状況を見てみたいと思います。


まず、CIOの有無ですが、

 

全体平均では、8%の企業で「役職として定義されたCIOがいる」と
なっています。企業規模別では、社員数1万人以上の企業では、
27%、5000~9999人以下の企業では13%と、企業規模が大きい
ほどCIOを配置しているという結果になっています。

(P5 図表1-1 企業規模別CIOの有無 より)



次に、CIOの役職ですが、

 

社長が兼務している場合が7%、常務以上の役員の場合が53%、
取締役・執行役員である場合が38%と、CXOと呼ぶにふさわしい
職位にある人が任命されていることが伺えます。

(P17 図表1-2-1 CIOの役職 より)



次に、CIOの専任/兼任状況ですが、

 

IT関係に専任しているのは7%。総務・人事・経理との兼任は38%、
経営企画・業務企画・営業企画との兼任が34%など、CIO専任者
が非常に少なく、他の役割との兼任が大半を占めています。

(P26 図表1-2-15 IT以外の担当分野 より)



次に、他の役割と兼任しているCIOのCIO業務へ投入時間割合
すが

 

5割以上の時間をCIO業務に投入しているのは15%にすぎません。
全体の84%が、3割以下しかCIO業務に投入できておらず、その
中で1割以下にとどまっているのは32%にも達します。

(P28 図表1-2-18 IT関連業務への投入時間割合)



次に、CIOの責任についてですが、

 

業務改革、内部統制、BCP(事業継続計画)への対応、IT予算の
策定・管理、ビジネスモデルの提案、個人情報保護法への対応と
続いています。

(P31 図表1-3-1 責任分担)




主だった調査結果を書き並べると上記のようになっています。
この調査結果から想像すると、


  
多くの企業では、CIOという役職者は増えてきているが、実態は
伴っておらず、CIO=IT担当役員という位置づけになっている。

 

CIOはCIOであることが主ではなく、企画や経理など他に主とす
る役割をもっている。

 

CIOの役割は、現状業務の問題を調査・分析し、ITを活用した
業務改革を推進することに重きが置かれている。(社内から期待
されている)

 

 


調査項目や実施方法により調査結果が異なり、結論の見え方が
変わるため、上記の調査だけで結論を出すのは適切でないかも
しれません。ただ、この調査結果から読み取る限り、CIOとは名ば
かりで、役員の中でIT部門の担当になった人がCIOであり、その
役割も旧来からのIT部門に求められていた役割と大きく変化して
いるわけではありません。

 

まだまだ、CIOというものが、CXOとしての責任、役割を果たし、
結果、経営に対してどのような貢献を行うのか、その位置づけが
不明瞭なままであるとの印象を受けます。

 

私が持っている印象、あるいはそこから来る問題認識と合致して
いるため「やっぱりそうか」という感じではありますが、2006年度
実施の最新の調査結果でもそういう状況かという残念な気持ちも
ある反面、CIOという役割の確立のために取り組むことのやりが
いをあらためて感じます。

 

 

 

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