CIO向け国家試験「ストラテジスト試験」 | インタープレイ コンサルティング 株式会社  Blog

CIO向け国家試験「ストラテジスト試験」

 

NBonlineの日経情報ストラテジー発ニュースで、『CIO向け国家試験
「ストラテジスト試験」が2008年秋にも』という記事が掲載されていました。

 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070801/131443/

 

 
「経営とIT(情報技術)」について深い理解を持ち、企業などのCIO(最高
情報責任者)やそのスタッフ、将来これらの職務を担う人向けに、2008年
秋を目処に「情報処理技術者試験」の一つとして実施するとのことです。

 
経済産業省産業構造審議会(情報経済分科会)情報サービス・ソフトウェ
ア小委員会が7月20日に公表した報告書「高度IT人材の育成をめざして」
の中で、今後育成が必要とされる人材像(スキルセット)が提示されていま
す。

 

その中でストラテジストとは、以下のように定義されています。

 

 
【ストラテジストとは】

 

   需要者(企業経営、社会システム)が直面する諸課題に対する
   IT活用型の新たな戦略を構築する人材。

 

   具体的には、ITユーザー企業(ここでは医療・教育・政府等の
   公的ユーザーも含まれる)の各種の活動、すなわち、

 

    1)企業ビジネスモデル構築

 

    2)プロセス(研究、設計開発、生産、流通、顧客管理、SCM,社内
      業務(財務、人事・給与、コンプライアンス))の改善

 

    3)個別の製品・サービスの開発といった広範な分野で、ITを活用し
      た高付加価値を創造するための基本戦略を提供す人材。

 

 
【具体的な職種の例】

 

   ◆ マーケッタ・ストラテジスト
      企業、事業、製品及びサービス市場の動向を予測・分析し、事業
      戦略、販売戦略等のビジネス戦略を企画立案すると共に、それを
      顧客の経営方針と照らし合わせ、課題解決のためのソリューショ
      ンを提案する。

 

   ◆ ビジネスモデル・ストラテジスト(業務系の場合)
      企業の経営戦略に基づいたITを活用した戦略を提案・策定又は
      製品を提案すると共に、それに伴う経営上のリスクや投資効果を
      明確にし、経営層に対し説明を行う。

 

   ◆ 業務プロセス・ストラテジスト
      特定業務プロセスの最適化を実施。

 

   ◆ 組込製品ストラテジスト
      特定の製品戦略の構築段階からITによる機能実現についての戦
      略を策定。

 

   ◆ 個別プロセスにおける制御系エンジニア(プロセス系の場合)
      (=当該職種は従来のIT人材の範疇外だったが、今後はIT関連
       人材として役割やスキルの融合化が必要)

 

 
【要求される能力ないしスキルセット】

 

   ◆ 経営環境変化についての洞察と新たなビジネスモデル戦略につい
     てのビジョンを描く能力

 

   ◆ EA(エンタプライズ・アーキテクチャ)等企業活動・個別プロセスを
     モデル化・構造化する能力

 

   ◆ 隣接するプロセス関連知見(例:発電所の制御方法)

 

   ◆ 特定の企業における各種データの構造化に関する知見



記事の中で、・・・

 

『経済産業省情報処理振興課の永見祐一係長は、「従来の試験制度は、
情報システムを提供する『ベンダー』側の人材を意識した試験だった。
企業のあらゆる業務にITが組み込まれた昨今では、情報システムを利用
する『ユーザー』側の人材にも配慮した試験制度に変える必要があった。
また、従来の試験制度ではCIOやその候補者をあまり意識していなかった
が、今後はこうした層にもアピールしていく」と説明する。』

 
この考え方には、私も賛成です。従来の『如何に情報ステムを作る人材を
育成するか』が社会的課題であった時代から、状況は進み、『如何に情報
システムを経営に活用するか』が課題に変わってきています。

 

『如何に情報システムを経営に活用するか』というテーマは、今に始まった
話ではなく、随分以前からいわれて続けています。今なおそれが解決されず、
課題になっているのは、『如何に情報システムを経営に活用するか』という
ことを担う人材が絶対的に不足しているからにほかならないと思います。
その点から、国家施策としてCIOやその候補者の育成に目を向けるのは
良いことであると思います。

 
ただ、今後の課題かもしれませんが、情報処理の世界でいくらCIOだ、育
成だといっても、井の中の蛙にすぎません。CIOがその役割は果たすため
には、企業経営の中でその役割、能力、成果を認知され、CIOがCIOとし
て働ける状況にならなければなりません。

 

情報処理試験の「ストラテジスト試験」は、CIOとして職務を担うための基礎
知識の有無を評価することになるのでしょう。ただ、従来の情報処理試験
以上に、その基礎知識の有無と、実際の現場で機能するかどうかのつな
がりは希薄になりそうな気がします。

 

各企業毎に状況は異なりますし、それに伴いCIOへの期待も異なるでしょう。
その中で試験合格者がCIOとしての職務を全うできるかどうか、成果を上げ
られるかどうかが課題になるのでしょう。合格しても実務では何の役にも立
たないでは、認定試験としての意義を問われることになるかもしれません。

 
実務能力を高めるためには、試験と合わせて『要求される能力ないしスキ
ルセット』を身につけるための実践的な育成カリキュラムが必要だと思いま
す。

 

私は、CIOに求められる上記の能力の育成のために、研修と実践支援の
2つの側面から尽力していきたいと思います。

 

 

 

このブログの TOPへ

 

********************************************************

当ブログは、インタープレイコンサルティング株式会社柴崎知己が

主催する「経営に貢献するITのあり方」や「ITの戦略的活用」に関して

検討するブログです。


【過去記事の一覧はこちら】 

当ブログのメインテーマである「経営に貢献するITのあり方」や

「ITの戦略的活用」に関する記事の一覧は、以下を参照ください。

ITの戦略的活用についての検討の軌跡 (掲載記事一覧)

 

日々思うこと、旅行記、グッズ紹介など、その他の記事の一覧は、

以下を参照ください。

その他記事 掲載記事一覧

  

********************************************************

 

当ブログの主テーマである「経営に貢献するITのあり方」や「ITの

戦略的活用」の実現方法、IT戦略の立案方法について記載した

書籍の紹介ページはこちら 。(目次を全文掲載しています)

 

  

********************************************************

Copyright(C) 2007 Tomomi Shibasaki. All Rights Reserved.